〈Topic〉「KENKEN」パズルの生みの親 宮本哲也さん NY・ミッドタウンで講演会

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冗談も交えながら、ドラマチックな自身のエピソードを語る宮本哲也さん=14日、ニューヨーク(撮影・みやじま)

間違っていなかった
14歳で決めた“進路”
「学校嫌い」の体験から得た信念語る

米紙「ニューヨーク・タイムズ」をはじめとする世界150以上の新聞や雑誌に掲載されている大ヒットパズル「KENKEN」の生みの親で、“教えない”“質問禁止”など独特の教育方法で注目を集める宮本算数教室主宰の宮本哲也さんが14日、ニューヨークのミッドタウンで、「どうすれば賢くなるか」と題した講演会を行った。
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講演では宮本さんの半生、宮本算数教室で出会った子供たちとのことや、ニューヨークへの移住を決めたきっかけなど多岐にわたるエピソードが語られた。
自分の話したいことを分かってくれる人がおらず、14歳から19歳の早稲田大学に入学するまでの5年間が本当に孤独だった、と自身のエピソードを紹介。その上で、「一番良くないのは、齷齪(あくせく)しないで、適当に楽に生きること。真面目にひたむきに生きるのが、実は一番楽。心の底から没頭できるものに巡り合わないと、それはできない」と話した。
また、「天才たちはやりたいものが決まっているから、全てを均等に勉強しなければいけない学校になじめないのは当たり前。私は天才ではないけど14歳から学校が嫌いだった」と自身の経験談を披露。だが、20歳までに自分は変わるのだと14歳で決めたことで、自身の親がそれ以降は人生や勉強に一切口出しをしなくなり、全面的に味方になってくれたと当時を振り返った。家で勉強したいと伝えると、学校を休めるように仮病の電話もしてくれたことなどの驚きのエピソードも語られた。
「もし人生のどこかで親に(進む道を)押し切られて、自分の選択じゃない生き方をしていたら、今、絶対ここ(ニューヨーク)にはいない」と強く語り、自身の決意が間違っていなかったと実感すると同時に、親の理解に感謝する言葉を述べた宮本さん。その一言一言をメモに取りながら聞き入り、大きくうなずく参加者の姿が見られた。

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講演の最後には25日以降にマンハッタンで開校を予定している「宮本算数教室」(66 West 39th St, 2Fl)についての記者会見も行われた。対象は小学3年生から5年生で、授業は毎週土曜日を予定。日程などについての詳細はmyamya@pb3.so-net.ne.jpに問い合わせを。

5月31日には学生向けに初の国際KENKEN大会をニューヨークのペース大学(プレザントビル)で開く。参加資格は6年生から12年生。参加無料。詳細、申し込みはwww.kenkenpuzzle.com/qualify参照。
(「WEEKLY Biz」(ニューヨーク)2015年4月18日号掲載)

 

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