倫理から得た最大のものは「人とのつながり」

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カリフォルニア州倫理法人会MS委員長 山崎ジェフさん

From California Interview(4)

山崎ジェフさん

2018年11月に設立した「カリフォルニア州倫理法人会」は、「南カリフォルニア倫理法人会」から改名した「ロサンゼルス倫理法人会」と「オレンジカウンティ倫理法人会」の二つの会を統括する。今回はカリフォルニア州倫理法人会MS委員長に就任した山崎ジェフさんにお話を伺った。

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山崎さんはグラフィックデザインや印刷を手掛けるParachute Graphics Inc.の社長であるとともに、18年までは南カリフォルニア日系商工会議所の会頭も務めていた。一時は倫理法人会、会社、商工会議所で三つの役職を同時に担っていたことになる。同会頭へは、米国倫理法人会の初期メンバーとして入会し8カ月くらい経ったころに依頼された。「(三つの役職を行うことは)大変なので、少々迷いました。でも倫理の捉え方でいけば、ここはやはり受けるべきだと思ったのです」と山崎さんは話す。

日系のクライアントに20年以上サービス提供

Parachute Graphics Inc.では、グラフィックデザイン、印刷を中心に商品撮影、ウェブ製作、名刺、帳票、ラベル、パッケージなども扱う。3年前にはプロモーションの会社も友人から譲り受けた。主に日系のクライアントに、20年以上サービスを提供し続けている。

文化の違いはあれど徐々に理解者は増えていく

在米34年の山崎さんは、倫理について「日本人らしいですが、普遍性がある。アメリカ現地の人も、日系人を含めて受け入れられることは多々あると思います。文化の違いはあれども、必ず徐々に理解者は増えていくのではないかと思います」と話す。そして、山崎さん自身が、倫理から得る最も大きなものは「人とのつながり」。倫理では業種に関係なく人と知り合える。「やはり仲間がいて背中を押されることは多いです。モーニングセミナーにしても、続けていくことは結構大変。たまには遅れたり休んだりしてもいいと思います。でもやめてしまったら、せっかくできた仲間も失う。人間は一人では弱いもの。倫理に限らず、仲間と和気あいあいやっていくことが必要だと思います」

英語のセミナーをやっていくことが先決

今後は「英語のセミナーをやっていくことが先決」と話す山崎さん。東海岸と比べて日系米国人が多い西海岸で、英語で倫理を現地の人々に伝えていく必要性を感じている。「ブラジルではポルトガル語でやっています。英語に訳すのは難しいところもあり課題もありますが、やっていかないと足踏み状態で前に進んでいかないですから」と、当面の目標についても語ってくれた。

昨年行われた「二世ウィークパレード」出発前に、徳島県からの阿波踊りグループと記念撮影する山崎ジェフさん(中央)(山崎さん提供)

昨年行われた「二世ウィークパレード」出発前に、徳島県からの阿波踊りグループと記念撮影する山崎ジェフさん(中央)(山崎さん提供)

●プロフィル●
やまざき・じぇふ
カリフォルニア州倫理法人会MS委員長、法人レクチャラー。2018年まで南カリフォルニア日系商工会議所会頭を歴任。1983年、文京区小石川にある日本プリンティングアカデミー卒業後渡米、アサヒグラッフックス社で印刷営業経験を積む。永住権取得後、Parachute Graphics社を開業し現在に至る。2010年、名入れ商品、ユニフォームなどのプロモーション販売会社、New Global USAを譲り受ける。コミュニティー活動としては、16年、南加県人会協議会の一員であるLA東京会(東京都人会)の会長になる。17年に南加日系商工会議所の会頭を2年間務める。その間Business Mixer(名刺交換会)を毎月、地域を変えて行い日系ビジネスの交流促進に務める。また、日本の地方商工会議所との交流も行う。

(2019年4月27日号掲載)

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