〈コラム〉個人タックスリターンの節税方法 課税所得を減少したり、所得の種類変更

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「永野・森田公認会計士事務所 日下武」ビジネスのツボ 第49回

今年もタックスシーズンがやってまいりました。この時期、たくさんの会計士、税理士は寝る暇もなく働き続けます。サバイバルゲームの幕開けです。さて、アメリカでは法人だけではなく、個人もタックスリターンを自分でしなければなりません。しかし、多くの人は税法についてあまり知識がないため、特に節税などをせずにたくさんの税金を納めています。それはアメリカ国税局や州にとても貢献しているので良いことだとは思いますが、なるべく合法的に節税したいという人も多いのではないでしょうか。そこで、今回は合法的な節税方法をいくつかご紹介いたします。

まず、所得税というのは、その名前のとおり所得に課せられます。アメリカでは累進課税方式を採用していますので、課税所得が多ければ多いほど高い税率になっていきます。そこで、課税所得を小さくする支出をするのが節税対策といえます。代表的なものがTraditional IRAなどの年金やIRC125の課税前の所得から支出できる医療保険があります。この種類の支出は課税所得を下げることができます。またはIRC529の教育投資というものがあり、子供の教育支出にあてるための投資から得る利益は非課税にすることができます。

次に所得の種類の変更というものがあります。連邦税の所得の種類はOrdinary Income、Portfolio Income、Long-term Capital gain、Passive Incomeなど、所得の発生の仕方によって分類されます。その中でも賃貸業をされている方はご存知かもしれませんが、レント損益はある例外を除き、通常はPassive IncomeまたはPassive lossといって不労損益扱いになります。例えばコンサルティング会社を経営している個人の人が賃貸業もしていて、3000ドルのPassive Lossが発生したとします。これは、Passive Incomeとしか相殺できません。簡単にいうと汗水たらして働いたコンサルティング収入であるOrdinary Incomeには使えません。そこで、個人で所有している車やオフィス器具を自分のコンサルティング会社にリースして、リース料としてPassive Incomeを3000ドル作ったとします。そうすれば、3000ドルのPassive lossが使うことができます。住んでいる家の売却については売却益を非課税にすることもできます。過去5年のうち2年間、自分の住居用に使用した不動産ついては、夫婦合算の場合は50万ドルの利益まで非課税にすることができます。家の価値が急激に上がり、現在1年11カ月住んでいる場合はもう1カ月待てば大きな節税になります。

他にもいろいろな節税方法があるので、勉強してみたら楽しいかもしれません。

(次回は3月第2週号掲載)

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