〈コラム〉FXDD提供「米国在住の誰もが気になる為替と世界の事情」第13回

0

FXDD_column

アルゼンチン・ショック

2014年の年明け以降堅調に推移していた世界の株価は、1月終わりの週になって大きく下落することとなりました。発端はアルゼンチンの通貨当局が、外貨不足を理由に自国通貨であるアルゼンチン・ペソの買い支え介入を停止するというニュースです。これをきっかけに、トルコ、南アフリカ等の経常収支が赤字であるほかの新興国の株式、国債が売られ、通貨も下落、投資家心理の悪化から先進国の株式も下落するという流れとなりました。  米国の緩和政策縮小が昨年12月から正式にスタートし、世界的な資金の流れは米国に集まりつつあるなかで、アルゼンチンはこれまでもデフォルト(債務不履行)を何度も繰り返しており、2002年のデフォルト以降、国際金融市場からの資金調達もできずに、いわば札付きの要注意国でした。従って、「なんで今さら」という感はありますが、これまでアルゼンチン政府はインフレ率を実際よりも低く見積もって発表していたと言われており、いわば基本的な経済指標を偽っていたわけです。これについては嘘をついてきたギリシャと同じ罪に問われているのです。  「嘘をつく」というと、地方政府の発表する数字を積み上げた数字と、それを合算したはずの数字を発表する中央政府の経済指標のかい離が問題となっている中国が連想されます。中国は「シャドウバンキング」という、こちらも実態が闇の中に隠れてしまっている問題も抱えています。先月の「ビットコイン」についてのコラムでも触れたように、急速な経済開放のなか、成長を続ける中国に対する注目は今後も減ることはないのでしょう。

(次回は3月第2週号掲載)

〈情報〉FXDD World Trade Centerに本部を置くFXDDは世界180カ国に顧客を持つ為替ブローカー。日本語を含む13言語対応・24時間体制のカスタマーサポートでFX業界をリード中。親会社は世界28カ国でグローバルな金融サービスを提供しているTraditionグループ。
【ウェブ】www.fxdd.com【facebook】www.facebook.com/FXDDjapan

過去の掲載
FXDD_cbcp_2014_March21

Share.