〈コラム〉カイロのお話「椎間板の損傷」 パート1 「ずれる」ことはないが、膨張や破裂することも

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カイロプラクター DR. 石谷三佳「骨盤・背骨の歪みをリセット」第59回

プリント背骨にまつわる健康問題の原因によく名前の挙がる椎間板ですが、その役割は誤解されていることが多いです。
椎間板は、背骨の骨と骨との間にある小さな軟骨のパッドです。柔らかなゼリー状の中心部を繊維質の細胞が層を成して囲んでいます。椎間板の一つ一つが、背骨のつなぎ役、スペーサー、そして緩衝材として機能しています。健康な時なら、椎間板のおかげで問題なく背骨を前後左右に曲げることができます。
13-08-10-ishitani_pic-2椎間板への血流はとても少なく、養分の運搬と老廃物の排出はもっぱら関節液の循環に頼っています。背骨の関節のどこかで正常な動きや位置を保てなくなり、このポンプ作用に障害が出ると、椎間板の健康状態が悪くなります。元気な椎間板は濡れたスポンジのように柔軟性がありますが、乾いたスポンジは固くて簡単にひび割れてしまいます。椎間板のトラブルも同じようにして始まるのです。
椎間板はそれぞれがその上下にある脊椎にくっついており、一般に言われるように椎間板が「ずれる」ということはありません。ですが、けがによって椎間板が膨張したり、脱出したり、さらには破裂したりすることがあります。これは非常に痛みが強く、脊髄や神経根を圧迫し、機能に障害が出ます。
カイロプラクティックでは、背骨の関節の動きと位置を正常に戻すお手伝いをいたします。椎間板の腫れが引くと同時に、背骨の機能が回復すると炎症も治まり、周りの軟組織がゆっくりと回復し始めるのです。(次回は8月第4週号掲載)

(「WEEKLY Biz」2013年8月10日号掲載)
MikaIshitani〈プロフィル〉石谷三佳(いしたに みか) 石谷カイロプラクティッククリニック院長、パーマーカイロプラクティック大学院卒、ハーバード大学医学部専門課程終了/米国、米国小児、ニュージャージー、日本カイロプラクティック協会会員/2008「Chiropractor of the Year」受賞

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