〈コラム〉「理香先生の歯のアドバイス」第9回

0

歯の詰め物の種類について

歯科医と相談、希望に合った方法を

今日歯に詰め物をする場合、いくつかの選択肢があり、それぞれ長所や短所があります。
1回の通院あるいは直接修復する方法
(1)アマルガムの詰め物:銀、すず、亜鉛、銅など金属の粉に水銀を混ぜたもので、虫歯を取り除いた後に詰め、1回の通院で終わります。安価で長持ちし、耐久性があります。一方、熱が伝わりやすいため、熱いものや冷たいものを口に入れると歯がしみることがあります。今でも世界中で使われていますが、とりわけ都会では審美的な理由から需要は減ってきています。銀の詰め物は口を開けたときによく目立ってしまうからです。
(2)コンポジット(レジン)の詰め物:1回の通院での治療が可能です。プラスチック、細かい水晶とガラス粒子との混合物でできており、審美的に優れ、色の種類も豊富なので周りの歯の透明度や色に合わせることが可能です。コンポジット充填は歯科医の技量が試され、アマルガムに比べ高額で時間も掛かります。この方法は歯に直接ボンドで接着するので歯を削る部分が少なくて済みます。
2回の通院あるいは型取りする方法
(1)ポーセリン(陶器)の詰め物:2回以上の通院が必要です。1回目に虫歯を取り除き、修復の準備をします。この時型取りをして技工士にインレーあるいはオンレーなどの詰め物を製造してもらい、2回目に詰め物を接着します。見た目も大変美しく丈夫ですが、天然の歯と同じく割れることもあり、年数が経つにつれ艶を失い、噛み合わせで歯を磨り減らす可能性もあります。
(2)銀歯の詰め物:日本ではよく行われる治療ですが、米国ではほとんど見かけません。やはり2回の通院が必要です。欠点は目立つことと詰め物と歯の間に隙間ができやすく、そこに虫歯菌が侵入したり、また外れやすいことがあります。
金の詰め物
金の詰め物には2種類あります。
(1)一つ目は現在あまり行われませんが、24Kの薄い金箔の層を熱で柔らかくして削った部分に詰める方法で、1回の通院で終わります。
(2)もう一つは型取りが必要で、2回の通院が必要です。金は非常に人体に適合しやすく、丈夫で長持ちし、他の歯を磨耗させることもありません。しかし、見た目の問題、熱を伝導しやすく、値段も近年高額になってきています。
個々の材質に長所・短所があり、虫歯の深さや大きさによって適さない場合があります。ご自分で調べたり歯科医と相談したりして、希望に合った方法を選択してください。
Rika Furukawa〈プロフィル〉古川理香(ふるかわ りか) メリーランド大学ボルチモア校歯学部卒業。AGD、ADA、NYSDA会員。ニューヨークで歯科医として「Rika Furukawa, DDS, LLC.」開業。

過去一覧

Share.