代理出産とは(2)生殖医療の知識豊富なコンサルタントを選ぶことが重要

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代理出産2

「米国最先端臨床現場から」海外治療コンサルティングリポート 第74回

前回=12月1日号掲載=から代理出産医療コンサルタントである弊社にいただくお問い合わせ件数でトップ5に入る代理出産について説明を開始しています。前回、2003年設立の医療コンサルタントである弊社は、設立から8年間は代理出産のケースはあえてお受けしていない方針であったところ、ロキタンスキー症候群の患者さまからの心からの叫びに応えたくて開始を決定したことをお伝えしました。

11年に代理出産のコンサルテーションを開始して約8年間、年間に15ケースから20ケースのコンサルテーションを行っていますが、双子になるケースも多いため、200人ほどの赤ちゃんが弊社の代理出産のコンサルテーションを経て元気に誕生しています。赤ちゃんの男女の性別比率は、着床前診断を前もって行い、女の子の受精卵移植を希望なさるクライアントが多く、弊社の代理出産ケースは女の子が多く誕生しています。

代理出産は人に相談しにくいセンシティブな依頼であるため、当人が公言しないため情報が限られています。また、代理出産に関する賛否両論が全ての概念同様、存在します。実際、数年前に、当時合法だったメキシコによる代理出産を依頼された弊社クライアントが、同様に子を望んでいる日本人のためにと正しい生の情報を発信したいと、代理出産の手続きや妊娠経過を報告するブログを立ち上げました。反響が大きく、感謝のコメントも多かったものの、インターネット特有の匿名の嫌がらせを受け、ブログ掲載を中止なさいました。個人的な内容であるだけに、発信はこのようなリスクがあることから、情報が少なくなります。また日本人の場合は、英語による国際的なニュースやブログなどへのアクセスと理解が限られているため、さらに情報量が少ない状況にあります。代理出産が必要な当事者は赤ちゃんが欲しいという切実な願いがあり、藁(わら)にもすがる思いで方法論を模索しているため、この動機と情報の少なさを利用し詐欺を行う環境を作り上げている事実があります。依頼する際には、必ず、法的な専門家チームが加わっている代理出産プログラムを選び、発生の可能性のある全ての料金の開示を求めて完全に納得してから依頼してください。また、生殖医療的に関わる知識が豊富な代理出産のコンサルタントを選ぶことは正しい方法論を実行する上で重要です。

(さくらライフセイブアソシエイツ代表・清水直子)

さくらライフセイブアソシエイツ代表・清水直子【執筆者】清水直子しみず なおこ) 学習院大学法学部卒業、コロンビア大学で数学を学び、ニューヨーク大学スターンスクールオブビジネスでMBAを取得。マウントサイナイ医科大学短期医学スクール修了。メリルリンチの株式部で活躍し、2003年さくらライフセイブ・アソシエイツを設立。

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