〈Topic〉野口英世博士第87回忌式典を開催

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HNMS、ブロンクス地区

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野口英世の墓碑を囲んで(右から)ロバート・T・柳澤氏、草賀純男ニューヨーク総領事・大使、ティモシー・オコナー氏、ジョン・P・トアレ・ジュニア氏、(一人おいて)加納良雄氏ら参列者=5月21日、ニューヨーク(撮影:河村)

ニューヨーク野口英世記念会(New York Hideyo Noguchi Memorial Society, Inc.=HNMS、本部:ニューヨーク州ニューヨーク)は、野口英世博士が眠るブロンクス地区にあるウッドローン墓地で、命日の5月21日に87回忌式典を開催した。
千円札のモデルとしても広く知られている野口博士は、黄熱病や梅毒などの研究で名を挙げ、数々の論文を発表し、ノーベル生理学・医学賞の候補に三度名前が挙るほど世界からも尊敬される人物。式典には、米国日本人医師会(JMSA)をはじめ、邦人医療支援ネットワーク(JAMSNET)、ニューヨーク日系人会(JAA)らの関係者、メディアを含む約30人が出席し、厳かな雰囲気の中、博士の業績を称えた。
式典の冒頭にウッドローン墓地の元代表、ジョン・P・トアレ・ジュニア氏は「野口博士を同墓地に安置していることを光栄に思う」と述べた。
在ニューヨーク日本国総領事館の草賀純男総領事・大使は「野口博士はすごく挑戦的な人である」と語り、博士が乏しい背景から立ち上がり細菌学者として世界に名声を博するまでの半生を紹介。ロックフェラー大学の副校長であるティモシー・オコナー氏は博士がニューヨークのロックフェラー研究所に勤めたころを振り返り、「彼の献身があって今のロックフェラー大学はある。ロックフェラー大学の図書館入り口の左右には、ロックフェラーと、野口英世の胸像がある」と紹介し、ノーベル賞候補にもなった功績を評価した。
ニューヨーク福島県人会会長で米国日本人医師会副会長、マウントサイナイ医科大准教授でもあるロバート・T・柳澤氏は「今の福島県には彼のように自負を持てる存在が必要。また、この式典をきっかけに福島県とニューヨークとロックフェラー大学の絆を大事につなげたい」と述べた。式典の最後は、各団体代表による花の贈呈が行われ、花かごが博士の墓石の前に飾られた。

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夫人とともに野口英世博士の名前が記されている墓標=同

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 ニューヨーク野口英世記念会(HNMS)
福島県出身の国際的科学者野口英世博士の功績を称え、その墓碑を守り、日米の医学を目指す子供たちへの応援を目的として2013年秋に発足したNPO団体。今回の式典を機に、HNMSは博士の命日である5月21日の前後1週間を「Dr. Hideyo Noguchi Memorial Week」とし、地元ブロンクスで学ぶ学生たちや日本人学校の生徒たちを墓参りに招き、野口博士が医学会に残した業績を広く伝えるとともに、博士が医学を目指す日米の生徒たちの大きな目標になることを願い、活動を続ける。HNMSの詳細は(914・433・3210)まで。
(「WEEKLY Biz」(ニューヨーク)2014年6月7日号掲載)

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