〈コラム〉中川扶二夫 「逃げない、がKeyword」第9回

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恩の“倍返しだ!”

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阪神ファンの中でカープを応援する筆者

広島出身の私は広島カープの大ファンです! 16年振りにクライマックスシリーズ(CS)進出を決めたカープを応援するため、日本出張中だったので、チケットを確保してもらい敵地・甲子園に行ってきました。
入手困難なチケットなので文句の言いようもないものの、獲得した席は阪神タイガースの応戦席ど真ん中。正直逃げ出したい気持ちになりました。しかしながら、私と同様、敵ファンの刺すような視線と野次と敵意の中で、もはや「丸腰」ともいえるカープ選手陣の決戦に挑む勇姿が目に入り、自分も阪神ファンの真ん中でカープを応援するぞと腹をくくりました(笑)。その甲斐あってか逆転の末、カープは貴重な1勝を挙げました。それにしても、アウェーでの戦いは聞きしに勝る過酷な試合。その中の勝利ですから、カープファンであるからゆえにこの試合から学び得るものが非常に大きかったと実感しています。

一方同じ頃、CS出場を果たせなかったDeNAの中畑監督が辞任を示唆する発言をしていました。後日、高校生のファンから「責任の取り方にも色々とある。辞めればそれで良いんですか?」という手紙を貰った中畑監督は号泣し、「責任の取り方は一つではない」と続投を決意したとのこと。見ず知らずのファンのお陰です。
人間は、仕事でもプライベートでも、アウェーであろうが地元であろうが、必ず誰かに応援してもらい、支えてもらっています。それは今、もしくは過去、あるいは将来と、必ず何らかの形での応援があるはずで、それを絶対に忘れてはいけません。応援は必ずしも優しい言葉だけではなく、こんちくしょーと反論したくなるようなアドバイスもまた、応援なのです。応援を頂いたら必ず恩返しをしてください、それも最近流行の「倍返し」でね。
人々が恩の倍返しをする世の中は、きっと希望に満ちた素晴らしい世の中になることでしょう。長い人生、いいことばかりではありません。辛い下積み時代、重すぎる責任の重圧、いわれなき中傷…。逃げ出したくなるような辛い状況が多々あります。でも、自分の夢に責任を持ち、諦めず続投することが「恩の倍返し」なのかもしれません。夢は自分ひとりで叶えるものではないのですから。
(次回は11月第4週号掲載)

〈プロフNakagawaィル〉 中川扶二夫(な かがわふじお) 広島県出身。1988年にニューヨークに一人で渡り起業。在ニューヨーク25年。この間にアムネットをはじめ八つの会社(18拠点)を日米で立ち上げる。成功よりも失敗を肥やしに独自の「家族型経営」が世界で通用するかをチャレンジしている。現在、異業種進出を含め、アジア、南米、欧州へ の進出を計画中。

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