〈コラム〉米日教育交流協議会・代表 丹羽筆人「在米親子にアドバイス」日米の教育事情

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秋入学の大学進学を考える

「どこでどんな仕事をしたいのか」を決めることが大切

9月初旬より始まっている帰国生大学入試の合格が続々と発表されています。早稲田大、慶應義塾大、上智大などの人気大学の合格発表が終わり、すでに来春の入学先が決まった受験生もいます。帰国生の大学入試はこの先も2月下旬まで続きますが、入学希望の大学に合格した段階で受験が終わり、4月の入学を待つばかりとなります。これは、日本と米国など海外の学校歴が異なっているために起こることです。当然、このブランクがあるために大学入学や就職が同級生から1年遅れることもあります。
このようなブランクは、秋入学の大学に進学すれば回避できます。ただし、米国など海外の大学に進学する場合には英語での学力が要求されますし、米国市民や永住者の子女でなければ留学生扱いとなり学費も高額です。一方、日本では秋入学の大学は限られています。それらの大学の選考方法は米国の大学に類似していて、高校の成績やSAT、ACTなどの統一試験のスコアが重視されます。また、授業は英語で行うというような大学もあります。
そして秋入学の大学の卒業時期は3月ではなく5?6月です。日本の企業や官公庁などの入社・入庁時期は4月であり、秋入学の大学生の就職は不利だともいえます。企業によっては秋入学の大学の学生の採用枠を確保している場合もありますが、まだ少数です。また、大学の中には3月に卒業できる早期卒業制度がある場合もありますが、ハードルが高いがために5?6月に卒業し、翌年4月に就職する学生が目立ちます。中には翌年の3月まで卒業を伸ばす学生もいます。つまり、同時に高校を卒業生より半年早く入学しても卒業時期は同じということになります。
したがって日本での就職を考えるならば、秋入学の大学に入学するメリットはあまりないということになります。しかし、前述したように日本の大学でありながら、米国のような入試を導入していることや英語で授業を行うことなど、秋入学の大学に見られる特長は評価できます。また、外資系の企業や海外での就職するのならば、秋入学の大学の方が有利であるとも考えられます。つまり、将来の就職まで見据えて大学の選択をすることが望ましいということです。大学を選択する時期までに、「どこでどんな仕事がしたいのか」を決めることが必要です。そういう意味でも職業について学ぶキャリア教育を学校や家庭で推進することが求められます。
(次回は11月第4週号掲載)(「WEEKLY Biz」2013年10月26日号掲載)
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