NY州の学校でのスマホ禁止政策に成果 授業参加向上やいじめ減少を報告

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ニューヨーク州のキャシー・ホークル知事は6月1日、州内の学校で実施されているスマートフォン禁止政策(Distraction-Free Schools Policy)の初年度成果を発表し、生徒の学習環境や学校生活に改善が見られたと明らかにした。

同政策は2025年に成立した「Distraction-Free Schools Law(集中学習環境法)」に基づき導入されたもので、学校でのスマートフォン利用を制限する取り組みだ。州政府が約600人の教員や学校管理者を対象に実施した調査では、80%が生徒の行動改善を実感したと回答した。

調査によると、生徒同士の対面での会話や交流が増え、授業への集中力や参加意欲が向上したほか、教室内のコミュニケーションも活発になったという。また約60%が、いじめや生徒間トラブルの減少を報告した。州政府は、SNSを通じた嫌がらせやオンライン上の人間関係によるストレスが軽減されたことが要因の一つと分析している。


メンタルヘルス改善にも期待

ホークル知事は「子どもたちが学び、人とつながり、成長できる環境を取り戻すことが重要だ」と述べ、若者のメンタルヘルス改善にも効果が期待できると強調した。また、「若者の注意力や時間を利益のために利用する仕組みから子どもたちを守らなければならない」とし、未成年者向けSNSのアルゴリズム規制やオンラインプライバシー保護の強化も進める考えを示した。

近年、米国ではSNSの利用拡大に伴い、若者の不安やうつ症状、睡眠不足との関連を指摘する研究が相次いでいる。ホークル知事は就任以来、保護者や教育関係者、生徒との意見交換を重ねる中で、スマートフォン依存が学習や精神的健康に与える影響への懸念を強めてきた。今回の結果についても、「就任以来、最も即効性の高い政策の一つだ」と評価している。


全米で広がるスマホ規制

学校でのスマートフォン規制は全米的な流れとなっている。2026年時点で35州以上がスマホ利用の禁止または制限措置を導入しており、40州近くが州レベルで何らかの方針を打ち出している。

ただし、規制内容は州によって大きく異なる。ニューヨーク州やバージニア州、メイン州などでは、登校から下校までスマートフォンの使用を禁じる「bell-to-bell(始業から終業まで)」方式を採用。一方、フロリダ州などでは授業中のみ使用を禁止し、昼休みや休み時間の利用を認める学校もある。また、ミネソタ州やコロラド州、メリーランド州などでは、州が基本方針を示した上で、具体的な運用は各学区や学校の判断に委ねられている。


日本との大きな違い

ニューヨーク州の特徴は、授業中だけでなく、学校にいる間は原則としてスマートフォンにアクセスできない点にある。多くの学校では登校時にスマートフォンをロッカーや専用ポーチに収納し、下校まで使用できない仕組みを導入している。

これに対し日本では、持ち込み自体を認めた上で校内での使用を禁止する「自己管理型」が主流だ。授業中の使用が発覚した場合に指導や一時没収を行うケースが一般的で、生徒は基本的にスマートフォンを携帯したまま学校生活を送る。

そのため、ニューヨーク州の制度は「授業中は使わない」というレベルではなく、「学校にいる間は使えない状態にする」ことを重視した、全米でも比較的厳格なモデルといえる。


一方で、スマホ規制による学力向上効果については研究結果が分かれており、利用時間は減少したものの、学業成績への影響は限定的だったとする調査も報告されている。しかし、教室内の秩序改善や対面コミュニケーションの増加、いじめの減少などを評価する声は多く、ニューヨーク州の取り組みは今後、他州や海外の教育政策にも影響を与える可能性がある。

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