世界に日本食を発信する「大戸屋」の定食が進化
2019年９月から導入し、好評の日本産米「新潟県産こしいぶき」
素材と店内調理にこだわり、日本の家庭の食卓に並ぶ美味（おい）しい“定食”を提供する和食レストラン「大戸屋」。2012年にオープンしたチェルシー店をはじめ、現在マンハッタンではグリニッジビレッジ店、タイムズスクエア店の計３店舗を展開する中、日米人を問わず人気を博している。
2019年12月17日から期間限定で提供を開始した新メニュー「自家製ハンバーグのデミシチュー定食」
同新メニュー「大戸屋風豚すき焼き鍋定食」
ＮＹで精米された「新潟県産こしいぶき」
日本と変わらない品質の定食をニューヨークでも提供する同店だが、「ご飯処（どころ）としてご飯が定食の要」との考えから、当初扱っていたカリフォルニア産ジャポニカ米から、2019年９月からは日本直輸入の米を米国で精米、販売する「the rice factory（http://trf-ny.com/）」の「新潟県産こしいぶき」の導入を開始した。これにより、ウエストチェスター郡スカースデールの精米所で精米した日本産米をその日のうちに各店に直送し、より美味しいご飯を店頭で提供することを実現している。
白米が格段に美味しくなった一方で、提供価格は据え置きで設定。「こしいぶき」を導入したことで、来店客からは「ご飯１粒ずつが立っていて美味しくなった」と喜ばれ、来客数も増加しているという。また、時間が経過して冷めても美味しさが損なわれない日本産米は、ビジネスランチとしても人気の弁当とも相性抜群だ。
カリフォルニア米の食べ比べで実感
11月には米国人への訴求として米系メディアやインスタグラマーを招待し、ご飯の美味しさを体感してもらうために「こしいぶき」とカリフォルニア米の食べ比べを実施。明らかな味の違いから、ニューヨーカーにも炊きたての日本産米の美味しさを実感してもらえたという。
白米中心、一汁三菜の定食の素晴らしさ広めたい
「ご飯を発信する提案としておにぎりなど、米国の方にも白米を気軽に食べていただけるためのメニューも構想している。また、白米の方がパンよりも脂質が少なく健康食であることを伝えていくこともニューヨークでは不可欠だ」と米国大戸屋の永瀬祐二社長は述べる。
魚や豚といった食材はもちろん、鰹（かつお）節を店内で削るための機械を日本から搬入するなど、忠実に再現することが難しい日本の味も技術を用いて補い、最高の状態で提供することにこだわる同店。「寿司（すし）やラーメンが“日本食”として浸透してきた中で、一汁三菜の日本の定食の素晴らしさをさらに広めていきたい。ちょっと手を伸ばせば届くごちそうとして日常的に楽しんでもらえたら」
商談用としても人気の「御膳弁当」。年末のおせちとして購入されることも
ＮＪ巨大モールにも来春出店予定
来春には、ニュージャージーに建設中の巨大モール「アメリカン・ドリーム」内にも出店予定で、日本の家庭食である定食を世界に発信する“ご飯処”としてますます注目が集まる。
（写真いずれも大戸屋提供）
（2020年1月1日号掲載）
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〈ディナー〉
月〜木 17：30〜21：30
金 17：30〜22：00
土 17：00〜22：00
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