在米20年、国の垣根を超え、『万人幸福の栞』を広める

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ロサンゼルス倫理法人会・専任幹事 佐藤昭さん

From California Interview(7)

ロサンゼルスに拠点がある倫理研究所USAは、個人を対象とした「家庭倫理の会」と経営者向けの「倫理法人会」という、2つの組織で活動を行なっている。どちらも定期的な倫理学習や各種活動を通して、人々の精神面の向上や地元企業の健全な繁栄を目指す。「南カリフォルニア倫理の会」は1995年、「南カリフォルニア倫理法人会」は2016年に設立された(現在は「カリフォルニア州倫理法人会」の下、「ロサンゼルス倫理法人会」と「オレンジカウンティ倫理法人会」を運営)。今回は、「南カリフォルニア倫理の会」の幹事を経て、「ロサンゼルス倫理法人会」の専任幹事に就任した佐藤昭さんにお話を伺った。(写真はいずれも佐藤さん提供)

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佐藤さんが倫理に出会ったきっかけは、母の影響を受けたからだという。日本で倫理法人会に所属していた母親は、ロサンゼルスに住む息子に会いに行くたび、現地の家庭倫理の会に連れ立って出席するようになる。佐藤さんは、親孝行のつもりで倫理法人会に入会。そこで、現在カリフォルニア州倫理法人会の会長を務める飯田たかし氏に勧められ、幹事を務める。その2年後、新たに設立された「ロサンゼルス倫理法人会」の専任幹事に任命された。

相手の主張とのバランスを考えるように

佐藤さんは、炊飯器の「タイガー魔法瓶株式会社」の米国法人「Tiger Corporation USA」に勤めている。ビジネスシーンで倫理の学びや実践が生かされることは少なくない。「以前は自分の意見を通そうすることが多かったのですが、倫理を学んでから相手の主張とのバランスを考えるようになりました」と、佐藤さんは話す。また会の幹事としてMSの進行役を経験してからは、人前では、短く、簡潔に、分かりやすく、インパクトのある話し方を常に意識するようになったという。

CA州は倫理を広めるには適した土地柄

在米20年になる佐藤さんに、日本人として米国の社会で感じていることを問うと、「日本人だとういうことをあまり意識しないようにしています。『万人の幸福の栞』は、グローバルな教えであり、国の垣根を超えた万国共通なものだと思っています」と答える。その上で、お互いの国の良いところは両方に広めようと思うとも話す。ロサンゼルスは日系人も多く住むが、アラバマ州やミネソタ州に住んだ経験もある佐藤さんにとって、カリフォルニア州では日本の文化が理解されやすく、倫理を広めるには適していると付け加えた。

倫理は「港」

佐藤さんにとって、倫理は「港」だという。「同じ志を持っている人が集まる場所です。毎週のセミナーで学び、皆でエネルギーを蓄え、燃料にして、それぞれが航海(職場・家庭)に出る。1週間頑張って、ここに帰ってきて、気持ちをリセットするサイクルを2年間ほど続けたことで、前向きな自分に変わったなという気がします」と語った。

倫理経営トップセミナーで。右から2番目が佐藤昭さん

倫理経営トップセミナーで。右から2番目が佐藤昭さん

●プロフィル●
さとう・あきら
ロサンゼルス倫理法人会・専任幹事。東京都町田市出身、福岡県立筑紫丘高校卒業後、渡米、1993年にミネソタ大学経済学部を卒業、同年に三菱電機(株)に入社、半導体事業に携わる。その後、外資系企業を経て2003年に再渡米。現在は、タイガー魔法瓶社の現地法人のTiger Corporation USAに勤務中。

(2019年7月6日号掲載)

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