〈コラム〉導院整体センター、鈴木規正「心身整体道場」第12回

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日頃から痛くない膝や股関節をつくる

最近、歩くと膝がガクガクする、階段の登り降りが辛い、片側大腿部の筋肉群が硬直して突っ張る等、股関節痛や膝関節痛で来院される方が多くいます。「どうしたら痛みのない膝や股関節をつくることができるか」とよく質問されます。答えは、(1)身体の歪みや不揃いを元に戻す(2)健康な身体バランスの維持をする(3)自分の足腰に感謝した生活をする―ことです。
病院では「変形性関節症」と診断され、多くの場合は安静にして暖め、運動療法やフィジカルセラピーなどで筋肉を鍛えるように指示されます。来院される大半の患者さんは、すでにあちこちの病院で治療をされています。フィジカルセラピーや鍼に通院、あまりの痛さに抗炎症鎮痛剤や筋肉弛緩剤の注射をよく受ける、アスピリンを常用している等の経験をされています。しかしこれらは一時的なもので、根本治療ではありません。
これらの人たちに共通する特徴は、
●左右の脚の長さが違う
●寝ると体が歪み曲がっている
●仰向けで寝ると左右の脚の開き方が違う
●うつ伏せで寝ると左右の骨盤の位置(高さ)が違う
●まっすぐに歩けない
●体の重心が一方の脚に傾く
●関節がカクカクと音がする
当院では、膝や股関節の痛みはたいてい1~2回の施術で取ることができます。痛みの根本的な原因である「骨盤の転位/ズレ」を取り除くからです。我々の体は自分で膝や股関節内でのズレ/亜脱臼を作り出し、「骨盤のズレを補完/バランスをとる」のです。従って骨盤、そしてズレた膝や股関節を元の位置に戻してあげさえすれば、 痛みはその場で消失します。ただし、慢性関節のリウマチ、靭帯破損、骨頭部破損で骨の破片が痛みの原因を作っている場合などは、病院に行く必要があります。
関節を鍛え、強い筋肉を維持するためには、施術後に本人が自分の骨盤をズラさないための努力、適度な運動による骨盤周辺筋肉の強化、良い体型バランスの維持、軟骨や筋肉をつくる食生活、一日30分以上歩く等が必要なことは言うまでもありません。
【最近の実例】
Cさん(米女性、40代、大手金融会社の秘書):座っていると腰が痛み、偏頭痛も出るように。また通勤時の階段の上り下りで膝が痛み来院した。診察すると、全身筋肉の硬直、骨盤転位、右脚が3センチ程長く、大腿骨開脚、右股関節の亜脱臼、膝関節の転位、さらに仙骨陥没などを併発していた。当院で周辺筋肉群(特に関節回り)を緩解指圧し、骨盤・股関節を調整した段階で膝の痛みは取れ、腰の痛みは半減し、楽に歩いて帰宅された。しかしかなり重症なので、完治するのにあと数回は通院が必要と告げました。
Mさん(米男性、36歳):たまに膝が痛くなり来院。長年の膝痛の経験者で、以前はよく病院や鍼、フィジカルセラピーに通院したが、最近は膝が痛くなるとすぐ当院に来院。激しい運動のため股関節の転位が大腿骨を押し出し、膝関節で股間節転位を調整している症状。骨盤転位を戻してあげると膝の痛みがなくなった。
(次回は3月2日号掲載)

Nori at NYGoCenter.〈プロフィル〉鈴木規正(すずき のりまさ) 指圧・整体師。「導院整体センター」院長。日本指圧医会/桜医会会員。米国で17年以上にわたって整体指圧を行い、慢性痛(腰痛、肩凝り、膝足痛)などの治療にあたり、また整体治療を通して心身の健康回復をサポートする。自身が開講する指圧教室では450人以上の生徒を育成。

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