筋トレではなく脳トレ

0

コアのほんとのお話(4)

〈コラム〉瓜阪美穂「理学療法士が教えます」 身体が痛い本当の理由 【第17回】

これまでにコアがうまく機能している状態とは「身体の色々な部分がタイミングよく、連携しあって上手に動いている状態」である事、更に適切な筋肉についてのお話をしました。今回はその適切な筋肉を効率よく使う方法をお話します。

以下の動作を皆さんもやってみて下さい。
⒈両腕を胸の前で交差するようにして片足で立ち目を閉じます。
(a)何秒バランスを取ることが出来ますか?
(b)目を閉じた状態で足の裏を感じましょう。親指、小指、かかとに均等に体重が乗っていますか?

⒉片足立ちの状態で、手前のコーヒーテーブルの高さにある物を拾い上げて下さい。
(a)バランスを崩さずに出来ますか?
(b)身体の中で特に負担がかかる場所はどこですか?

このような動作を行った場合、身体の1カ所だけ大きく負担がかかるのはよくありません。目を閉じた状態でも、身体が正常な状態だと30秒は問題なくバランスがとれるはずです。

ここで足の裏を5分程マッサージしてみましょう。指の間を広げたり、凝りをほぐしたり、足首を手で大きく回します。特に甲の部分を柔らかくしてみましょう。マッサージが終わったら、先ほどの動作をやり直してみましょう。殆どの方は足裏の感覚が強くなっていると思います。拾い上げる時も1カ所だけの負担ではなく、身体全体で行えた人もいると思います。足の裏の感覚を鋭くしたことによって、脳からの伝達がコアにより正しく働いている事を指しています。

筋トレも大切ですが、感覚を鋭くしていく事でコアを鍛えて怪我を防ぎましょう。コアを鍛えると、スポーツは勿論、日常の動作も楽に行うことができます。

瓜阪美穂〈筆者プロフィル〉
瓜阪美穂(うりさか みほ)  理学療法博士、整形臨床スペシャリスト。ニューヨーク州立大学ビンガムトン校を卒業後、南カリフォルニア大学理学療法博士課程を修了。ブロードウェイミュージカルのダンサーの理学療法士としても活躍中。米国の理学療法により、自身の身体に興味をもち、正しい動作を生活に取り入れることを目的に治療や指導を行っている。
★身体に関する皆様からの質問も受け付けています。
【ウェブ】https://omptny.com/ja/

〈コラム一覧〉

Share.