ハドソン川の魚、半世紀ぶりに“食用可”へ ただし条件付きで解禁

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摂取量や魚種に制限 完全解禁ではない現実

「ハドソン川の魚は食べられない」——そんな常識が、いま少しずつ変わり始めています。

ニューヨーク州保健局(New York State Department of Health)は2026年4月、ハドソン川で釣った魚の摂取に関するガイドラインを更新し、一部の魚については食べてもよいとする新たな指針を発表しました。

対象となるのは、キャッツキル付近からマンハッタン南端までのローワー・ハドソン川(Lower Hudson River)。このエリアでは、長年問題となってきた有害物質PCB(ポリ塩化ビフェニル)の濃度が低下し、規制が緩和されました。


50年ぶりの転機、その背景は

ハドソン川では1970年代以降、工業汚染の影響で魚の摂取が厳しく制限されてきました。

今回の見直しは、長年にわたる環境改善の成果を反映したものです。州の分析により、一部の魚種では健康リスクが低下したと判断されました。

その結果、例えばストライプドバス(シマスズキ/Striped Bass)などは、

  • 一般成人:月最大4回まで
  • 妊娠の可能性がある人や子ども:月1回(約8オンス)まで

といった形で、限定的ながら摂取が認められています。


“解禁”でも安心ではない

ただし、今回の変更は全面的な解禁ではありません。

専門家は「食べ過ぎは避けるべき」と注意を促しており、摂取量には明確な上限が設けられています。

また、

  • コイ(Carp)やスモールマウスバス(Smallmouth Bass)は引き続き食用不可
  • エリアによっては依然としてキャッチ&リリースのみ

といった制限も残っています。

PCBは魚の脂肪に蓄積しやすいため、調理の際には皮や脂を取り除くことも推奨されています。


実際に釣るには?登録方法も確認

ハドソン川で釣りをすること自体は可能ですが、ニューヨーク州ではレクリエーション・フィッシング登録(Recreational Marine Fishing Registry)が必要です。これはオンラインで無料登録が可能です。

登録は以下のニューヨーク州公式サイトから行えます:
https://dec.ny.gov/permits/licenses/sporting-and-use/sporting/marine-registry

登録後は、魚種ごとのサイズ制限や持ち帰り可能数などのルールを守る必要があります。


“食べられる川”への一歩

それでも、半世紀にわたり続いてきた制限が緩和されたことは、大きな節目です。

かつては“汚染の象徴”ともされたハドソン川。その魚を再び食卓にのせられる可能性が見えてきました。

ただし今はまだ——「条件付きで、少しだけ」。

慎重ながらも確かな一歩が、川の未来を変え始めています。

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