〈ルポ〉NHKワールド「GLOBAL AGENDA」パネル討論会 NYで公開収録

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日本経済への高い関心

立ち見も多数の大盛況

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(左から)司会のフレッド・カタヤマ氏、スピーカーのビル・エモット氏、イェスパー・コール氏、藤田浩之氏=2日、ニューヨーク(撮影・みやじま)

NHKでは海外発信強化の一環として4月から国際放送「NHKワールド」で大型討論番組「GLOBAL AGENDA」を放送する。同番組は世界的なオピニオンリーダーが日本と世界が抱える課題に迫り、徹底的に討論するもので、年10本程度、週末に放送される予定。
4月25日に放送予定の第1回「日はまた昇るか? Made in Japanの潜在力をどう見る」のパネル討論会の公開収録が2日、ジャパン・ソサエティーで行われた。
パネリストには、英誌エコノミストの編集長として活躍し、著書「日はまた昇る」で日本の復活を予測したビル・エモット氏、投資分野の専門分析家として活躍し、日本語の著書もある日本通エコノミストのイェスパー・コール氏、クオリティ・エレクトロダイナミクス社長で、オバマ米大統領の一般教書演説に招かれ話題にもなった藤田浩之氏らを迎えた。司会はCNNの経済ニュースで長く記者を務めたジャーナリストで、トムソンロイター記者のフレッド・カタヤマ氏。
討論会では「産業立国ニッポンの将来像」をテーマに、世界での存在感を低下させている“日本ブランド”が復活する可能性はあるのか、乗り越えるべき課題は何かを討論。第2次世界大戦後から2010年代までの日本経済の変遷をまとめたVTRも流された。
コール氏は日本製品の品質の高さをあらためて評価しつつ、日本車が米国市場に登場し、人々が飛びついた当時の様子なども語った。藤田氏からは日本の教育制度が経済に与えている影響について自らの経験を交えながら語られるなど、討論では専門領域にまつわるコメントだけでなく、日本企業が世界を席巻した時代・バブルが崩壊した当時の出来事など、その時代を生きた当事者ならではの発言も多く聞かれた。
会場は立ち見も数多く出るほどの盛況ぶりで日本経済への未来に関する関心の高さがうかがわれた。

(「WEEKLY Biz」(ニューヨーク)2015年4月11日号掲載)

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