〈コラム〉中川扶二夫 「逃げない、がKeyword」第36回

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「変わる常識 変わらぬ本質」

nakagwa0402

 

フリーペーパーの大半の読者は40歳以上。このフリーペーパー世代の口から昔のように「全く最近の若者は…」という言葉を聞かなくなった。何故だろう。昔と違って今の若物が本当にしっかりしてきたからなのか、それともその世代が不甲斐ないからなのか。まわりの環境がもの凄い速さで変わる現代において、年配者が若者に頼るが故に彼らが立派に見えるのかもしれない。

メールよりライン、フェイスブックよりインスタグラム。アプリもPinterest、TaskRabbitなどを使いこなし、電話さえもラインやメッセンジャーの無料通話が当たり前の世の中。昨日皆が驚いたことで、今日はもう誰も驚かない。日常生活の中で、過去の常識に頼っていると、あっという間に周りに置いてきぼりをくってしまうのが現代社会なのだ。

しかし、昔も今も変わらないものがある。それは人としての生き方や仕事の本質である。今の若者にも夢を描き、その夢の実現に向かって努力して欲しいし、仕事にやり甲斐を持ってもらいたい。ただし、大事なことは「仕事とは稼ぐこと」であり、自らのやり甲斐や成長はその後についてくるということだ。やり甲斐や成長があっても稼げないのであれば、それは仕事とは呼ばない。自己満足のボランティアである。ボランティアであれば給料をもらうべきではない。成長するために必要なだけだと言うのなら、その仕事に授業料を支払わなくてはいけないのだ。

スマホを使い何かできるとしたら、その技術を使って仕事で稼ぐことを考えなくてはならない。SNSを使いこなすだけでは仕事ではない、それを使い稼いで初めて仕事をしたと言える。そして重要なことは、「仕事」によって何人を幸せにできるか、これこそがその仕事の価値だ。利益だけの問題ではなく、社員もお客様も誰も幸せでないなら、その会社の存在価値はゼロなのである。

どのような環境に置かれても「自分自身の存在価値」だけは失わないようにしたいもの。回りの人々を幸せにしていきましょう。

中川扶二夫【執筆者】なかがわ・ふじお 広島県出身。1988年にニューヨークに一人で渡り起業。在ニューヨーク25年。この間にアムネットをはじめ八つの会社(18拠点)を日米で立ち上げる。成功よりも失敗を肥やしに独自の「家族型経営」が世界で通用するかをチャレンジしている。現在、異業種進出を含め、アジア、南米、欧州への進出を計画中。

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