「意外にも米国人からは好意的な反応」、制作の八木景子監督、質疑応答で

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捕鯨問題に迫るドキュメンタリー映画「Behind THE COVE」、コロンビア大で上映

地球環境について考える日「アースデー」の22日、コロンビア大学主催でドキュメンタリー映画「Behind THE COVE〜捕鯨問題の謎に迫る〜」の上映会が開催された。

同作は、日本の捕鯨を題材としてアカデミー賞を受賞したドキュメンタリー映画「THE COVE」のアンサームービーとして制作され、捕鯨賛否の両者の主張をバランスよく取材することで、商業捕鯨の正当性を主張する内容となっている。

これまで主だった教育機関では「THE COVE」が上映されることが多く、著名な研究者やアカデミー賞受賞者をはじめ、米国の財政界・学界・法曹界をリードする卒業生を数多く輩出する名門コロンビア大学といった影響力のある最高峰の教育機関で、また、アースデーという公式イベントで同作品が上映されるのは初となる。

上映会には、映画を制作した八木景子監督も登壇し、来場者らの質疑応答に応じた。会場には、日本人のみならず、多くの米国人が足を運び、さまざまな質問が飛び交った。「捕鯨という世界からの反発が予想されるテーマで作品を作る上で考慮したことは」といった質問に八木監督は、「決して日本側のみの視点で語られないように、『THE COVE』の監督や出演者も登場させることで、多くの人が見ざるを得ない状況を作った。意外にも米国人からは『アメイジング!』といった好意的な反応が多く、日本人の方が消極的なリアクションが多いことが印象的だった」と回答。捕鯨の問題は根深く、同作は人種差別や国際会議の不平等さといった問題にもつながることから、同作は教育機関からの関心も高い。監督は、現在2作目を制作していることも明かした。

日本政府は、昨年12月26日に国際捕鯨委員会(IWC)からの脱退を表明。今年6月30日には正式に脱退し、7月1日には商業捕鯨が再開される。

(2019年4月27日号掲載)

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