トム・クルーズ

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僕はいつもチャレンジするものを探している

「ガチ!」BOUT.115

 

 

「ミッション:インポッシブル・ゴーストプロトコル(Mission: Impossible – Ghost Protocol)」の北米プレミアが12月19日、マンハッタンのジーグフェルド劇場で行われた。自らプロデュース、主演をつとめた本作でドバイにある世界一の超高層ビル“ブルジュ・ハリファ”(地上828メートル)でのスタントマンなしの体当たり演技を見せているトム・クルーズ。本作への意気込み、自身のヒーロー像、俳優としての生き方を伺った。(聞き手・高橋克明)

 

最新作「ゴースト・プロトコル」北米プレミア

今夜のプレミア上映を前に今、どんなお気持ちですか。

トム すごく興奮してるよ。僕自身すごく楽しみにしている。待ちきれないほどにね。

シリーズ4作目となる「ゴースト・プロトコル」ですが、過去3作品も含めてご自身が一番好きなのはどれでしょう。

トム 全てが誇りに思う作品だよ。ただ最新作が自分にとってベストでありたいといつも考えてるから、その質問には「ゴースト・プロトコル」と答えたいね。(笑)

映画には主人公のイーサン・ハントというスーパーヒーローが登場します。あなたにとってのスーパーヒーローは誰でしょう。

トム うーん、難しい質問だね(笑)。でも娘たちにとって僕はいつもヒーローでいたいと思っている。それは僕だけじゃなく、世の中の子供を持つ父親は誰でもそうなんじゃないかな。「世の中のお父さん」はみんなスーパーヒーローだし、少なくともそうでありたいと思ってるはずだよ。

娘さんと言えば、スリちゃんは本当に可愛くなりました。

トム そう?(うれしそう) 彼女はとても、とてもスタイリッシュなんだよ。持って生まれたファッションセンスで自分なりのスタイルを作ってるみたいだね。いろんなことにクリエイティブで、たまに一緒に絵を描いたりするんだけど、なんともいえないんだ。とにかくクリエイティブで美しい。彼女には毎日毎日驚かされっぱなしなんだよ。(にっこり)

そんなかわいい娘さんがいらっしゃるのに、今回は命懸けのスタントをやりました。

トム チャレンジすることが好きなんだ。監督にも「トム、スタントマンって職業の人がいるのを知ってるかい?」って言われたよ(笑)。でも僕がやりたいんだって答えたんだ。僕はチャレンジすることが好きだし、あまり眠らない。いつだって冒険したいんだよ。それが僕だし、僕をよく知っている人たちは、ちゃんと安全に気をつけて無茶をしないと分かってるはずだよ。

十分、無茶と思う高さの「ブルジュ・ハリファ」(ドバイにある世界最長タワー)でしたが、地上何フィートの高さで撮影されたんですか。

トム えっと…高い、とても高いところでだね(笑)。厳密な高さは分からないけど、あそこまで高いと何フィートも、もう一緒かな。(笑)

キャリアにおいても、これ以上登るものはないですね。

トム いや、分からないよ。僕はいつでも何かしら登るものを探している。次にチャレンジするものをいつも探してるんだ。最近初めてのミュージカル映画の撮影も終わった(※注)。そこではダンスをして、歌も歌ってる。その世界も見てみたいと思ったし、以前からやってみたかったので、とてもうれしかったよ。それに、これから1年半の間に三つの映画を撮る予定だから忙しくなると思うんだ。人生はいつも忙しい。Life is always something ! だね。

あなたにできないことはもうないのでは。

トム たくさんあるよ(笑)!でも俳優としていろいろな人たちを演じ、いろいろな場所に行くことができるのは素晴らしいと思ってる。今までも(映画のために)飛行機も操縦したし、ビリヤードも学んだ、サムライの殺陣もレーシングカーも経験した。俳優という職業のメリットはその場所に行き、その人の人生を学べるという点だね。この仕事を選んだことに感謝してるよ。

出演作品を決める基準は何ですか。

トム 自分が出たいと感じた作品に出演する。自分の心が出たいと言ったら出る。それはデビュー以来一貫して変わっていない僕の出演作の選び方なんだ。僕が思うに「いい映画」って大きく二つに分かれると思う。「ヒット作だけど評論家に認められない作品」と「ヒットしないけど評論家に認められる作品」。多くの観客に見てもらえるか、評論家に認めてもらえるか、それは公開するまで誰にも分からないことなんだ。もちろん、僕にもね。だから結局は自分の出たい作品に出る。それ以外の選択肢はないし、僕はそれ以外の選択肢を考えたこともないよ。

最後に在米の日本人にもメッセージを。

トム アメージング! 僕は日本という国も日本人も大好きなんだよ。東京に行く時はとても興奮するし、また行ける機会を待ち望んでるんだ。僕は日本に行くといつも不思議な感覚に陥る。文化の違いがとても魅力的に感じられ、人々にはいつもスピリッツを感じる。何よりいつも温かい応援をしてくれるしね。本当にありがたいことだと思ってるんだ。

今日はお忙しい中、時間を取っていただいて感謝します。

トム ノー、ノー! こちらこそ来てくれて感謝するよ。ドウモ、アリガトウ(日本語で)。

トム・クルーズ 職業:俳優・映画プロデューサー

1962年生まれ。ニューヨーク州シラキュース出身。「トップガン」(86)の世界的大ヒットでトップスターの仲間入りを果たした。以降、次々ヒット作に出演し、不動の地位を手に入れた。アカデミーの常連である。代表作は「カクテル」(88)、「インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア」(94)、「ジェリー・マグワイア」(96)、「マイノリティ・リポート(2002)、「ナイト&デイ」(10)など多数。

(注)今年6月1日、全米公開予定のミュージカル映画「ロック・オブ・エイジズ/Rock of Ages」。同作はブロードウェイ・ミュージカルの映画化で、1987年のサンセット大通りを舞台に繰り広げられるラブストーリー。トム・クルーズほか、 ラッセル・ブランド、キャサリン・ゼタ・ジョーンズ、アレック・ボールドウィンなど錚々(そうそう)たる面々が共演するとあって話題になっている。

 

〈インタビュアー〉
高橋克明(たかはし・よしあき)
専門学校講師の職を捨て、27歳単身あてもなくニューヨークへ。ビザとパスポートの違いも分からず、幼少期の「NYでジャーナリスト」の夢だけを胸に渡米。現在はニューヨークをベースに発刊する週刊邦字紙「NEW YORK ビズ」発行人兼インタビュアーとして、過去ハリウッドスター、スポーツ選手、俳優、アイドル、政治家など、400人を超える著名人にインタビュー。人気インタビューコーナー「ガチ!」(nybiz.nyc/gachi)担当。日本最大のメルマガポータルサイト「まぐまぐ!」で「NEW YORK摩天楼便り」絶賛連載中。

 

(2012年1月1日号掲載)

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