2月27日から、KAORUKOがNYで個展「Animism」キーワードはアイドル、ポジティブなフェミニズムを表現

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作品の前に立つKAORUKO=ニューヨーク

ニューヨークで活動中のよしもとアーツ所属アーティスト・KAORUKOが、個展「Animism(アニミズム)」を、2月27日から3月21日まで、ニューヨークのギャラリー「Lyons Wier Gallery」(542 W 24th St)で開催する。

展示作品は、近年テーマとしてきた“アイドル”がキーワード。ティーンエージャー、かわいらしさ、精神性、名声、強さを表現。男の独占欲(プロデューサーや原作者の手で作り出された理想の女性像を演じること)に夢を与えながらも美しく、したたかに夢を勝ち取ろうと戦う反面、16歳の不完全な思春期の精神性を表現する。英語で崇拝の対象、偶像、神像、虚像、妄想という意味を持つ“IDOL=アイドル”をコンセプトに、理想の女性像としてポジティブな意味でのフェミニズムを表現している。

5回目となるニューヨークでの個展を控えるKAORUKOに当地で話を聞いた。

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「日本人は昔からドラえもんやトトロなど、アニメ・漫画のキャラクターに魂が宿っている、ということを自然に受け入れて、慣れ親しんできています。今回は家を守る魔除けとしての役割を担う狛犬(こまいぬ)のように、造形物に魂が宿っている、という日本に古くからある文化を作品に表現しました」と話すKAORUKO。

今回は代名詞ともいれる巨大なキャンパス画でなく、小さめの新作7作品を展示する。

生物・無機物を問わない全てのものの中に霊魂、もしくは霊が宿っているという「アニミズム(英語:animism)」という考え方の下、立身出世の象徴、「コイの滝登り」や狛犬などを作品に描いた。「日本の言い伝えみたいなものをニューヨークの方に触れていただけるとうれしい」

ポップにアレンジされた色あざやかな作風が目を引くKAORUKOの作品。江戸時代の浴衣の型紙をシルクスクリーンにして、それをペインティングして刷っていく、という手法をとっている。作品を購入するのはニューヨーカーが多い。「パターンの美しさを気にいってくださっているのかと思います」

ニューヨークでの活動が長いKAORUKOならではの、日本の古い文化をアニミズム的な考えに置き換えた作品の数々。ニューヨーカーの反応が楽しみだ。

「carp climbing up a water fall 60 x 54 Acrylic」

〈プロフィル〉
KAORUKO 2007年からニューヨークを拠点に活動。現代を生きる女性を投影した新しい形のポジティブなフェミニズムを描く。明治、大正時代の着物の文様をコラージュすることにより日本文化を反映させた表現をコンセプトとする。独自の技法の構成方法、作品の対象、コンセプトはニューヨークのファインアート界でも独特の存在感を持ち、多くのコレクターに強烈なインパクトを残す。

■概要
【期間】2月27日(木)~3月21日(土)
●オープニングレセプション:2月27日(木)午後6時〜8時
【会場】Lyons Wier Gallery(542 W 24th St, NYC)
【ウェブ】www.lyonswiergallery.com

(『ニューヨーク Biz』2020年2月22日号掲載)

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