NY在住の作曲家・ジャズピアニストの宮嶋みぎわさんが快挙 芸術家支援制度「ジェローム・ヒル・アーティスト」1期生に選出

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難関プログラム・音楽部門10人中、唯一のアジア人として

芸術・文化活動の活性化と進化に貢献することを目的に1964年から芸術家と芸術系非営利団体の支援を続けているジェローム基金(The Jerome Foundation)では3月18日、ことし新設された芸術家支援制度「ジェローム・ヒル・アーティスト・フェローシップ(Jerome Hill Artist Fellowship)」のメンバーを発表、ニューヨーク在住の作曲家・ジャズピアニスト宮嶋みぎわさん(所属レーベルArtistShare)が、音楽部門の第1期生に選出された。

「誇りを持って活動していきたい」宮嶋みぎわさん

「この上なく充実したサポートを将来有望なアーティストに提供し続けてきたジェローム基金から、栄えある新制度の1期生に選んでいただけたこと…その重みをかみしめています。社会的に意義のあるアート活動を実施するには資金もアイデアも人脈も必要で、その全てを提供してくれるこのような制度があることは、日本やアジア各国ではあまり知られていません。そのギャップを埋め、アーティストが活動しやすい社会を作り、世の中を良くしていくために、私たち1期生ができることはたくさんあるはず。誇りを持って活動していきたいと思います」

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「ジェローム・ヒル・アーティスト・フェローシップ」では1964年の設立当初より新進芸術家の支援を行ってきたが、より実際的で強力なサポートを行うためにリサーチを重ね、ダンス、フィルム/メディア、文学、音楽、シアター/パフォーマンス&朗読、視覚芸術の6芸術ジャンル各10人ずつ、合計60人の「フェロー・アーティスト」を選出。各芸術家には1年につき2万ドルずつ、2年間で4万ドルの活動資金が贈られ、追加として条件付きの1万ドルの資金も確保されている。これら最高で5万ドルの活動資金が贈られる他、各アーティストには2年間にわたり活動のサポートが提供される。

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芸術作品の質の高さ・表現の深さが審査されるだけでなく、今回新設された制度においては、審査過程で「芸術家として目指すゴールは?」など五つのテーマについて英語の随筆を提出することが義務付けられているのも特徴。宮嶋さんは音楽部門10人中唯一のアジア人であり、60人のフェロー全体を見ても、アジア系米国人・アジア人は合計で13人に留まっている。

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ジェローム基金によると、選出された60人の芸術家はことし5月から同団体のサポート下での活動を開始、第2期生の募集は2020年となる予定。宮嶋さんの受賞後初のコンサートは5月5日(日)午後6時からバードランド・ジャズクラブ(315 W 44th St)で実施される。チケットは30ドル、予約は同クラブウェブサイトで。

(2019年4月6日号掲載)

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