〈Topic〉NY倫理友の会「春のランチョン」

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トシ・カプチーノさん、歌とトークで盛り上げる

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ニューヨーク倫理友の会・リンゼイ芥川笑子理事長)

ニューヨーク倫理友の会(リンゼイ芥川笑子理事長)が8日、毎年恒例「春のランチョン」をマンハッタンの新橋レストランで開催した。
今回はブロードウェーをはじめとする舞台芸術の評論家で、エンタテイナー、タレント、プロデューサーとしても活躍するトシ・カプチーノさんが、自身の生い立ちやエピソードを歌にのせて講演した。
今から20年前、ニューヨークに移り住んだトシさん。何のコネクションもないながらも、ラッキーな出会いをきっかけに、オフブロードウェー「ストンプ」の日本ツアーの通訳者に抜擢された。そこからの縁で、ニューヨークと舞台に関わる仕事につき、今では演劇評論、ショーやテレビの仕事をするに至った。そして、日本にいた時は“ゲイ”であることを隠し、本当の自分を表現できないことから、一時はあきらめた“歌手の道”だったが、夢に向かって必死に挑戦する友人らに背中を押され、2005年からシャンソンショーを始めたという。
語りと共に、八神純子の「思い出は美しすぎて」や、岩崎宏美の「思秋期」などの懐メロを自身の思春期の淡い思い出と関連させて歌い上げ、また究極の愛を描いたシャンソンの名曲を、ことし2月に結婚した同性パートナーを思いながら熱唱。昨年トニー賞で作品賞を受賞した「キンキー・ブーツ」から、シンディ・ローパーの「トゥルー・カラーズ」を自身の解釈で翻訳し、歌うなど、バラエティー豊かなラインアップで講演を進めた。

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情感を込めて「愛の讃歌」を歌い上げるトシ・カプチーノさん

最後は、作詞家の故岩谷時子さんが越路吹雪さんのために翻訳しヒットした名曲「愛の讃歌」と、美空ひばりさんの「川の流れのように」を歌い上げると、一緒に口ずさむ参加者の姿も見られた。
軽快なトークとストーリー仕立てのキャバレーショーを思わせる構成で、例年とはひと味違ったランチョンで盛り上がった。(写真はいずれも8日、ニューヨーク(撮影:鈴木貴浩))(「WEEKLY Biz」2014年5月17日号掲載)

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