ここを押さえたい! 帰国生中学・高校入試の受験対策

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入試問題の出題形式に合わせた学習が必要

「在米親子にアドバイス」日米の教育事情
米日教育交流協議会(UJEEC)・代表 丹羽筆人

 

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年末が近づき、間もなく受験シーズンが到来します。帰国生入試では、年内に入試を行う学校もありますが、ピークは国内生と同様に1~2月です。受験生にとっては、これからが目標校合格のためラストスパートをかける時期となります。ここでは、合格のために押さえておきたい入試対策のポイントを科目別にご説明します。

国語は、課題文が入試で初めて読む文章であることが多いので、日頃から幅広いジャンルの文章を読むことをお勧めします。小説は読み慣れていても、論説文や随筆は読み取れないということもありますし、苦手意識のある歴史小説や古典も学習しておきましょう。古典は難問が少ないため、得点しやすいともいえます。また、ことわざ、慣用句、四字熟語、文学史などは、覚えれば貴重な得点源となります。

数学・算数は、問題を早く解けるようにする練習が必要です。計算も日頃から計算機に頼らず学習を進めましょう。計算問題の途中式を書き込むことや証明問題の日本語での説明も大切です。中高一貫校や進学校では、当該学年より先の学年の履修内容が出題されていることもあります。過去の入試問題を入手して練習を積んでおきましょう。

英語は、英会話が問題ないとしても、入試で得点できるとは限りません。日本の受験英語は、相変わらず文法重視の出題が目立ちます。現地で普通に使っている言い回しでは不正解になることもあります。また、英語といえども、和文英訳や英文和訳もあり、日本語での学習も必要です。なお、中学入試でも英語を課す学校はあります。中学・高校ともに、日本式の英語ではなく、TOEFL形式で出題する学校もあります。この場合には、現地校での英語の学習が対策に直結します。

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国語、数学・算数、英語の3教科は、多くの学校で入試科目として課されますので、入試問題集を使って、問題を解く練習を積むことが大切です。また、理科や社会は、入試科目ではないとしても、教科書での学習はしておきたいです。

(写真提供:名古屋国際中学校・高等学校)

 

丹羽筆人【執筆者】にわ・ふでひと 河合塾在職後に渡米し、北米の補習校・学習塾講師を歴任。現在は、「米日教育交流協議会(UJEEC)」の代表として、「サマー・キャンプ in ぎふ」の企画・運営、河合塾海外帰国生コース、名古屋国際中学校・高等学校、名古屋商科大学の北米担当などを務める。他にデトロイト補習授業校講師(教務主任兼進路指導担当)
◆米日教育交流協議会(UJEEC
Phone:1-248-346-3818
Website:www.ujeec.org

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