〈コラム〉ぎっくり腰

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カイロプラクター DR. 石谷三佳「骨盤・背骨の歪みをリセット」第191回

「ぎっくり腰」とは、何だと思いますか? 実はぎっくり腰は症状名ではありません。ぎっくり腰にも、さまざまな原因と潜んだ症状があります。それをしっかり理解していないと、Aさんのぎっくり腰と、Bさんのぎっくり腰とでは、対処法が違います。

冬は寒い気候というだけで、筋肉が硬直して体が硬くなり、関節の動きが悪くなりますので、ぎっくり腰には注意したいですね。腰は、背骨の一番下の五つの骨の周囲のことを示します。背骨は「脊椎」といい、小さな骨が縦に積み重なってできています。背骨の下部にある五つの骨を「腰椎」といい、椎骨の周りが腰に当たります。腰は立ったり座ったり、バランスをとったりする時など、動作の中心になりますので、その分、負担が掛かり、痛みが起こりやすい部分でもありますので、冬は本当に要注意です。

「ぎっくり腰」とは、簡単にいうと、腰の捻挫です。「捻挫」というと、皆さん驚かれます。「腰に捻挫ってあるの?」と聞かれます。「捻挫」は、何かの圧力と負担が一定の関節(骨と骨の接続部位)に掛かって、関節を支えている筋肉や腱(けん)、靭帯(じんたい)に負担が掛かり、それら軟部組織を損傷させてしまうことです。ですから捻挫は、関節があるどこの場所でも起こりえます。背骨の場合、椎骨が捻挫をしてしまうと、椎骨の間に存在する椎間板に負担が掛かり、椎間板の損傷(ヘルニアなど)を引き起こしたり、神経根を傷めて神経圧迫を起こすなど、深刻な問題が起こりやすくなります。ですから、ぎっくり腰になった場合、自己判断で回復を目指すのではなく、なぜ、ぎっくり腰になったのかの要因をきっちりと見極め、カイロプラクティックや整形外科などの専門医に、きちんとした診断をしてもらうことが非常に大切になります。

また、ぎっくり腰にならないように普段から、ある程度の運動をしたり姿勢を正すなどして背骨に負担を掛けない訓練をしておくことが、予防につながります。健康で楽しい年末、ホリデーシーズンを皆さまが過ごされますように願っております。

(次回は1月18日号掲載)

MikaIshitani〈プロフィル〉石谷三佳(いしたに みか) 石谷カイロプラクティッククリニック院長、パーマーカイロプラクティック大学院卒、ハーバード大学医学部専門課程終了/米国、米国小児、ニュージャージー、日本カイロプラクティック協会会員/2008「Chiropractor of the Year」受賞。2015「Bergen’s Top Chiropractor」受賞。

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