〈コラム〉交通事故のケガの治療

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カイロプラクター DR. 石谷三佳「骨盤・背骨の歪みをリセット」第213回

最近、また交通量が増えてきました。米国社会は車社会。気を付けていても事故に遭うことはあります。もし、事故に遭ってしまった場合、どのようにしたらいいのでしょうか。もし、交通事故で追突された場合、すぐに痛みが出る場合もありますが、すぐには痛みなどの症状がない場合もあります。しかし、それによって体を放っておいた場合、もしかしたら、後に交通事故の後遺症として悩まされることになるかもしれません。米国では、カイロプラクターは交通事故によるケガや痛みを治療する専門医として知られています。交通事故後、何かしらの症状があり、ERなど救急病院に行かれるかもしれませんが、脳振とう、骨折、血が流れ出すようなひどいケガでない場合、緊急病棟ではほとんど処置をしてくれません。レントゲンやCTスキャンの検査はしますが、それで異常が見られない場合、いわゆるむち打ち症や捻挫系統の軟部組織のケガは、100パーセントの確率で見落とされるか、重要視されません。

しかし、たとえ、低速度の事故であったとしても、骨格や年齢、または追突した角度で背骨に与える影響は少なくありません。長期にわたって、今後、後遺症に悩まされないためにも、事故後はすぐに専門のカイロプラクターに診てもらうことが大切です。私自身も含め、多くの米国のカイロプラクティック医は、事故によるむち打ちの専門課程を修了した専門医です。交通事故によるケガは軟部組織のケガが一般的です。軟部組織というのは、筋肉や靭帯、椎間板、神経など目に見えない組織のことです。例えば、「事故で頭を打撃して脳振とうになり意識がなくなった」「どこかに強打して血が出たり骨が折れた」となると目に見えるものなので、もちろんみんな慌てふためいて病院に駆け付けるでしょう。しかし、軟部組織のケガの場合、いったん見落とされることが多いのです。なぜなら、目で見て見えないからです。何となく感覚として、大した事ではないように感じてしまうのかもしれません。しかし、それが大失敗です。数年後、数十年後に、ひどい椎間板ヘルニアの原因になったり、神経痛で長年悩まされたり、関節炎がひどくなり、検査したら骨の変形が進んでいたなどの疾患の症状に悩まされることも多々あります。

(次回は4月10日号掲載)

MikaIshitani〈プロフィル〉石谷三佳(いしたに みか) 石谷ヘルスセンター院長、パーマーカイロプラクティック大学院卒、ハーバード大学医学部専門課程終了/米国、米国小児、ニュージャージー、日本カイロプラクティック協会会員/2008「Chiropractor of the Year」受賞。2015「Bergen’s Top Chiropractor」受賞。

【石谷ヘルスセンターウェブ】www.ishitaniclinic.com

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