〈コラム〉正子アマーティのふうすいNEW YORK 【第1回】

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〈前編〉

web-fusui-photo 4日本では「風水」という言葉を知らない人はいないくらい情報があふれていますが、ニューヨークでも「Feng Shui」という名で知られています。なかには伝統的な風水の意味あいとはかけ離れている部分もあり、迷信、おまじない、宗教などと混同されている場合も少なくありません。
風水は古代中国より研究された環境に関する体系化された知識であり、その歴史は非常に古く、「気は風に乗ずれば散じ、水に界(へだ)てられれば即ち止まる」といわれ、これが風水という言葉の原点となっています。つまり、良いエネルギーの場所は強い風によって守られていて、そのエネルギーが風によって飛ばされてしまわないように水の境界線が必要となります。ここでいう山というのは、現代においては都市部のビルなど建物に言及する場合もありますし、水というのは、海や川などの本来の水以外に道、公園、広場などのオープンスペースも含まれています。
先祖をよい風水の地に埋葬することによって子孫が繁栄するという考えから、古代中国の皇帝達は風水によってお墓の位置を決めていました。人の住まいも同じように風水のよい場所に住むことによって、健康や金運、子孫繁栄に繋がると考えられています。文化大革命(1966年~77年)以降、粛清の難を逃れた風水師達が中国大陸を離れたことにより、現在では香港、シンガポール、台湾などが風水の盛んな国となっています。欧米でも、実業家や富裕層が自宅やオフィスのために風水師を雇って、風水のアドバイスを受けている人も多く、ハリウッド俳優などの著名人でも利用している人が多くいます。ニューヨークの不動産王、ドナルド・トランプ氏が自身が保有する高層ビル、トランプタワーに風水を取り入れていることはよく知られています。
風水では、巒頭(らんとう)と理気という2つの側面が重要になります。「巒頭」は、環境における物体の形状などで例えば、山、川、道、建物などの外の環境だけでなく、内部ではインテリアなども含み実際に目に見えるものに言及しています。「理気」は、方位や時間において変化するエネルギーで目に見えないものを示します。そして、古代中国の哲学である陰陽五行と八卦などが関係しています。住まいやオフィスなど、その建物がいつ建てられどの方位を向いているのかによって一定のエネルギーが存在し、目で見える周辺環境からどのような影響をいつ受けるのかなどの分析が可能となります。巒頭と理気はコンピューターでいえば、ハードウェアとソフトウェアに例えられ両方の側面から判断することが必要となります。
後編では、ニューヨークのような都市における実際目に見える風水の観点からの実例を見ていきたいと思います。

(次回はwww.nybiz.testでのみご覧になれます)

〈筆者プロフィル〉 正子アマーティ(まさこ・アマーティ) ふうすいNEW YORK主宰。風水研究歴18年。環境が人間に与える影響について興味を持ち、数名の風水マスターより風水を学ぶ。その後、レイモンド・ロー老師に師事、風水・四柱推命・易を学ぶ。現在、香港の風水グランドマスターの盧恆立(レイモンド・ロー)老師の日本語通訳担当。日本における四柱推命、易、風水講座での通訳を務める。ニューヨークを拠点に、風水鑑定及び風水講座、ワークショップ、セミナーなど主催。
ふうすいNEW YORK 公式サイト

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