〈コラム〉看護師のH―1Bビザについて

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この度、米国移民局は看護職がH―1Bビザの「専門的職業」の基準を満たしているか否かを述べたメモを公表しました。
H―1B申請に重要な必要要件の一つは申請者が申請ポジションに対して関連した最低4年生大学の学士号(または同等のもの)を持っているかどうかです。このことから、正看護師は準学士号を取得していれば就ける専門職という事で、多くの(登録)正看護師(RN)職はH―1Bの学歴基準に満たしていないと判断され、結果、移民局は多くの正看護師に対する H―1Bビザ申請を却下してきました。
また既に雇用されている他の看護師が学士号を持つそれら施設を通してRNポジションとしてH―1Bを申請する場合においても、認可のハードルは高く、却下の可能性が高い現状があるのです。
そのような状況下、今回のメモには、とりわけ高学歴の看護師にとって好ましい記載事項が含まれています。一つの例として、American Nurses Credentialing Center(ANCC)Magnet Recognition Programが認める健康管理機構で看護職に就く予定のH―1B申請者は審査上、優遇される旨の記載があります。これら健康管理機構や病院施設にて看護師長(ユニット、病棟、クリニック)になるためには、少なくとも学士号を必要条件としています。またこれら施設では特定の期間内に学士号レベルの看護師の割合が8割まで到達できるよう計画もされています。
更に、正看護師のH―1Bビザの取得は一般に難しいと考えられている一方、Advance Practice Registered Nursing(APRN)など上級看護師についてはH―1Bビザに適していると考えらます。APRNの資格を取得するための必要条件は州単位で決まっていますが、どの州も同じ証明書を発行しています。なお、今回のこのメモにはそれらARRNポジションがリストされています。例を挙げてみると、正看護助産師(CNM)、正臨床専門看護師(CNS)、正ナース・プラクティショナー(CNP)、登録された正麻酔専門看護師(CRNA)等です。
今回のメモ発行は特に移民局の審査方針を大きく変えるものではないかもしれませんが、少なくとも移民局は、今回のメモを通して、看護師職がH―1Bでいう専門職であるという見解を持ってもらう手助けとなることでしょう。
(次回は8月第2週号掲載)

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