〈コラム〉ファイナンシャルアカデミー代表 泉正人「社会人のための資産運用」第6回

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最初の投資 少額で始められるものを選んで

これから投資を始めるにあたって、お金をコントロールするためには、まず小さな金額から経験してみることが大切です。
例えば、今投資に回せるお金が100万円あるのなら、資産の10分の1に当たる10万円から投資を始めてみるのです。
資産運用を始めるからと言って、手元の資金を全てつぎ込む必要は全くありません。初めから大金を扱うことは大変危険なことです。最初は、株式ならミニ株、不動産投資ならREITなど、少額で始められるものを選んでみましょう。
投資を始めると、自分の資金が増えたり減ったりします。この時の、自分の高揚感や恐怖感を肌で感じてみてください。
本を読んで投資の勉強をしても、実際に投資を始めると本のとおりには行かないことも出てきます。少額でも、実際に投資をすることでしか得られない体験をすることも大切なのです。
私は以前、投資額が大きく上下する先物取引をしたことがあります。お恥ずかしい話ですが、その取引が100万円単位で大きく値を下げ始めた時、手がブルブルと震えたのをはっきり覚えています。精神的につらい思いをして、この投資は自分には向いていない、ということが身にしみてわかりました。
投資には、失敗はつきもので、誰もが失敗を経験します。その時に自分がどういう気持ちになるのか、どこから恐怖に転じるのかその基準を知っておくことはとても重要なのです。
私と同じような恐怖を味わわないためにも、損をしてしまっても大丈夫な金額で練習してから、本格的に資産運用を始めるようにしてくださいね。 (次回は8月4日号掲載)

「お金の教養」〈プロフィル〉泉 正人(いずみ まさと) ファイナンシャルアカデミー代表、金融学習協会理事長、神戸夙川学院大学客員教授。経済入門から資産運用までの幅広いファイナンシャル教育を行う。受講者が18万人の「お金の教養」=写真=プログラムをニューヨークでも開催。http://us.Financial.ac

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