〈コラム〉導院整体センター、鈴木規正「心身整体道場」第27回

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見えない力で、当病平癒!

患者は“たちどころ”に痛みが消え病気が治る、ミラクル(奇跡)を求めているようですが、「見えない力」を確信できない人には平癒は起こらない。理由は(1)自己治癒(癒やしの原理)力の発揚は患者自身にある(2)この自然治癒の過程を理解できる(3)平癒への確信を持ち継続ができるといった条件がそろわないと治療効果が出ないからです。
「病気」は誰がつくるのか? 「つくるも・治すも」自分自身です。単純な答えですが、この奥に「癒し」の真理が隠されています。何年も体に悪い好き勝手な生活をしている。やがて体が悪くなると病院に行き、金さえ払えば、治すのはお前らだ! と思っている自己中心的な生き方の人がいます。このような人生には大きなツケを払わされる運命が待っています。
来院して、「お前は治せるのか?」と駆け込んで来る人がいます。医師も私もあなたを治すことはできない。治すのは「あなた自身です」と答えます。結果は分かりませんが、われわれはベストを尽しますと答えます。自己の治癒力やわれわれを信じること。なぜならば平癒の過程で患者は、以下の不安に直面し、それを乗り越える覚悟がいるからです。
(A)施術/自然治癒の過程で痛みの継続や繰り返しがあるが、やがて平癒する。たとえば春から寒暖を繰り返し、やがて夏になるように。
(B)筋肉には昔の記憶があり「元の生活習慣、仕事の姿勢」に戻ると体骨格のバランスが戻ってしまう。従って本人の症状を戻さない努力が大切。例えば、椅子を変える、腰ベルト、ストレッチ等をする。
(C)「痛みの箇所が変わった」とよく誤解し不安になる。患者は主痛(含他箇所)を訴えますが、主痛みが無くなると2、3番手の痛みが浮上したに過ぎません。これを理解していないと、当院で新たな問題がつくられたと誤解する人がいる。
【殆んど手術なしで良くなった実例】
美里  David(56歳、イスラエル人女性、米航空会社フライトアテンダント):10年前から腰痛があり仕事もままならない状態で苦しんでいた。顧客のGさんが4年前から当院に来るように勧めていた。当人は頑固な性格で拒み続けてきた。最近、異常な体の痛みに耐えかねて病院で検査したところ、椎間板手術と膝手術をしなければダメだと言われ、事の重大さに気づいた。
診察では、体を見てみるとやっぱり頑固な性格や心が現れ、体中が硬直し、ツイストしていた。これでは夜も寝られないのも当然でした。長年の仕事上の悪姿勢で、骨盤の捻転、膝が痛く歩けない、右脚の痺れ、脊椎の弯曲、首が回らない、右肩が低位/前方傾斜、体がネジレ、重症でした。さらに上腕が肘関節を圧迫、手首関節が転位していました。さらに寝がえりを打っても痛みで、目が覚める状態。よく会社をくびにならずにいるな? と心配する程でした。緩解指圧、整体による骨格・関節調整等の施術。計2回の施術で良くなったのですが、別の所が痛み出したと苦情を言ってきました。前述の(A)(B)(C)を説明、さらに数回の整体施術で殆んど手術なしで良くなりました。
(次回は6月第1週号掲載)

Nori at NYGoCenter.〈プロフィル〉鈴木規正(すずき のりまさ) 指圧・整体師。「導院整体センター」院長。日本指圧医会/桜医会会員。米国で17年以上にわたって整体指圧を行い、慢性痛(腰痛、肩凝り、膝足痛)などの治療にあたり、また整体治療を通して心身の健康回復をサポートする。自身が開講する指圧教室では450人以上の生徒を育成。

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