〈コラム〉移民法についての最新情報

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フォームI―140の プレミアム申請が再開

6月29日から、雇用に基づくEB―1、EB―2、EB―3カテゴリー対象者のフォームI―140のプレミアム申請が再開されました。プレミアム申請とは、移民局(USCIS)が15日以内で審査の終了を約束するものです。フォームI―140のプレミアム申請は昨年H―1Bビザの6年間を満了する申請者に限り許可するのみで、これまで2年間にもわたって中止されていました。
雇用に基づくフォームI―140のプレミアム申請は以下の方が対象です。
● 特殊技能を保有するEB―1カテゴリー対象者(多国籍企業経営者や管理職は含まれません)
● 大学教授や研究員としてのEB―1カテゴリー対象者
● 専門分野の高学歴保持者や卓越技能者であるEB―2カテゴリー対象者(国益対象者は含まれません)
● 専門、技能労働者としてのEB―3カテゴリー対象者
プレミアム申請には、USCISへのフォームI―907と申請代金1000ドルが必要です。プレミアム申請はフォームI―140と同時に申請することもできますし、先にフォームI―140を申請し、審査中にプレミアム申請をすることもできます。
ただし、USCISは15日以内にフォームI―140の審査を終了しない場合もあります。またUSCISは追加の証明書類の提出依頼(RFE)をすることがあります。追加書類を提出すると、USCISはその提出日から15日間以内に最終結果を通知します。

iCERTポータルシステム

労働局(DOL)は7月1日から、H―1Bビザ申請に必要である労働条件申請書(LCA)作成に、新たにiCERTポータルシステムを導入しました。iCERTシステムは、http://icert.doleta.govから作成できます。旧LCAオンラインシステムはもはや使用することはできず、また情報は旧システムからは転送されません。
iCERTシステムのユーザーは、LCAの準備の際に登録上の問題に遭遇することがあるかもしれません。DOLは8月中旬までにiCERTシステムをアップグレードする予定です。
DOLはiCERTシステムから申請されたLCAを7日もしくはそれ以上かけて審査する予定です。そのため、LCAによってH―1Bビザ申請に遅れが生じる可能性があることを雇用主に理解してもらわなければなりません。H―1B労働者がH―1Bポータビリティ規則に基づき、新たな雇用主の元で就業を始める場合には、この申請の遅れが問題となるかもしれません。また、OPTの期間終了を目前に〝キャップギャップ〟規制に基づき、OPTの自動延長を見越してH―1Bビザへのステータス変更申請を予定しているF―1ビザ学生にも影響を及ぼすでしょう。

I―9実施

米国移民通関管理局(ICE)は、雇用の適正を審査するため、フォームI―9の記録を雇用主に提出するよう要請しています。またICEは不法就労者を承知の上で雇用している雇用主に対して刑事訴訟を検討しています。雇用主がI―9フォーム上や雇用証明上で不注意によるミスをした場合でも、偽造文書作成の罪で民事処罰や罰金の対象になります。よって、雇用主はI―9の規制に従って雇用しているかを確認しなければなりません。
今現在、ICEは米国内の652の雇用主へI―9調査通知を発送しています。2008年には503件発送されました。

09年7月のビザ広報更新

永住権申請可能対象者:EB―1カテゴリー対象者は現在申請可能。EB―2カテゴリー対象者も現在申請可能(ただし中国およびインド国籍保有者を除く)。EB―3カテゴリー対象者はいまだ申請できません。
(弁護士:リチャード A. ニューマン)
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過去の一覧
(「WEEKLY Biz」2009年7月24日号掲載)

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