富士通、「Fujitsu World Tour 2018」を開催 デジタル革新の共創スタジオも開設

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展示会の様子=5月30日、ニューヨーク(撮影:徳倉)

NYでは初

富士通アメリカ社は5月30日、富士通の最新事例を紹介する展示会「Fujitsu World Tour 2018」を、ニューヨーク・タイムズスクエアのマリオットホテルで実施した。展示会は25年前から毎年続き、富士通が世界20カ国以上を訪れ、クライアント企業らと共に実現してきたデジタル革新の実例を紹介するもの。ニューヨークでの実施は今回が初となる。

今年のテーマは「Co-creation(共創)For Success」。富士通では、豊かな未来の実現につながるデジタル革新には、AI(人工知能)やIoT(モノのインターネット)などの“最先端テクノロジー”と革新を生み出す“人”、そして“人のつながり”が不可欠だと考える。「共創」をキーワードに、他社(クライアント)と共に創造して革新を生み出し、ビジネスを成功させ、ひいては人と社会を幸せにすることを目指す。

「Co-creationブース」では、富士通の共創サービスを紹介。独自のデザインメソドロジー「Human Centric Experience Design」を活用し、ICTを活用した新規事業に取り組みたいが、どう始めればよいか分からないという企業の課題を解決する。「既に持っているデータから新規ビジネスを創造したい」「ビジネスの融合をしていきたい」「エコシステムを導入したい」といった企業の要望に応え、ぼんやり始まるイメージから、アイデアを創出し具現化する。来場者はカードやデジタルボードを使った「アイデア創出」を体験した。

取材に応じる富士通のグローバルマーケィンググループ・リーダー兼マーケティング戦略本部長の山田厳英氏=同

富士通は、デジタル・テクノロジーをどのように活用すべきかの指針として、「人を中心にした体験価値を創出するビジネス」の方向性を定義。そのうえで、クライアントと共に創出したアイデアを、富士通のテクノロジーやシステム構築を駆使して実現させていく。

また、この共創サービスの実践の場として「デジタルトランスフォーメーションセンター」も5月、ニューヨークに開設された。東京、大阪、ミュンヘンに続き、6月にはロンドンでも展開した。

バイクや音楽で有名なヤマハも同サービスを実践した企業のひとつ。音にこだわるヤマハは、外の音や条件と連動するイヤホンを発案。時間や、今いる場所の情報も取り込んだ上で、昔聴いた音楽などのデータを記録し続けて行くと、その場所に行ってその音楽が聴こえるなどの機能を持つ。「試作品の状況ですが、場所や時間を音につなげていく発想は面白いですよね」とグローバルマーケィンググループ・リーダー兼マーケティング戦略本部長の山田厳英氏は話す。

「日本のテクノロジーはまだまだ世界を席捲できると思っています。富士通1社だけで闘っていてはダメだと思いますので、Co-creationというキーワードは今後も出し続けていきます。世界で活躍している日本の方々と一緒に、世界を変えていきたいと思っています」(山田氏)

(2018年8月11日号掲載)

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