Monday 満ちる

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音楽は一番ピュアなもの

「ガチ!」BOUT.21

 

Monday 満ちる

 

日本ではアシッド・ジャズの先駆者として知られるMonday満ちるさん。アングラ クラブシーンのディーバは、現在ロングアイランドに生活のベースを移している。5月15日、SOHOにあるライブハウスS.O.B.’sでライブを行ったMondayさんを直撃した。
(聞き手・高橋克明)

 

スタイルは“ish”

お疲れさまでした。大盛況でした。

Monday とってもとっても、バンドの素晴らしさに感動しております。バンドとのリハーサルは昨日の1回だけだったんです。新しいドラマーだったし、イチからやらなきゃいけなかったし、私の曲は結構、難しいから。今日も失敗しながらだったけど、みんなプロだからうまく飾ってくれたかなあと思いたいです(笑)。

リハーサルは1回なんですか。

Monday 人によると思いますが、例えば日本のアーティストだと5回とか1週間とか、1カ月とか(笑)? 私はこんな感じ(1回のみ)です。

Monday満ちるMondayさんの音楽はジャンルでいうと、ジャズとも言い切れない気がします。

Monday 最近ね、やっと分かってきたんですけれど、私の音楽ジャンルは“ish”(イッシュ)。“jazzish”とか、“brazillish”とか…。とにかく“ish”(笑)!

すべてを含んでいる、と。そのスタイルはいつからご自分の中で確立されましたか。ニューヨークにいることも関係していますか。

Monday 最初のころからずっとそうだったと思います、いろいろ混ぜるのが好きだから。ニューヨークにいることは関係ないと思う。逆に日本に行ってからの方がそうなっていったかも。「オープンにやってもいいんだ、こんなふうにしてもいいんだ」って。アメリカはいろんなジャンルを混ぜると嫌われるかも、Purist(純粋)だから。

S.O.B.’sでの演奏に思い入れがあると聞きました。

Monday 今回で5回目くらいですかね。サウンドがすごくいいし、スペース的にもいいし、好きなハコではあります。思い出があるとすると、うちの主人の知り合いが歌手なんですけど、その人のパフォーマンスを初めて観たのがここで、いいステージだなって。そう思っていたところで自分もできるようになったっていうことですかね。

歌ってる姿を拝見して、とても楽しそうでした。

Monday 楽しいんです(笑)。でもね、自分が歌っているのが楽しいというわけじゃなく、バンドと一緒にできることがうれしいんです、私は図々しくも、いつもバンドはうまい方たちを選ぶんです。ここでも日本でも。私はミュージックの一ァンで、彼らに憧れていて、彼らのファンなんですよ。だからその方たちと一緒にステージでできるってことが嬉しくて楽しくて、ずっとニヤニヤしちゃうんですよ(笑)。

Monday満ちる
◎インタビューを終えて

踊るように歌う、とはこういうことなのだろうな、と思いました。ステージのMondayさんは、バンドの音を浴びるのがうれしくて仕方がないという感じでした。ジャンルにとらわれない楽曲の数々に、彼女の音楽の懐の大きさもうかがえます。演奏終了後の楽屋はMondayさんを囲むスタッフ、ミュージシャン、取材人で賑わってました。とにかくたくさんの人たちに「Monday、Monday」と呼び止められる大人気ぶり。そんな中、時間を割いていただき感謝!です。「図々しくもうまい方(アーティスト)を選ぶ」とお話してくれましたが、それだけのメンツが揃うのは、やっぱりMondayさんの人柄と実力、つまり魅力なのだと思います。

Monday 満ちる(まんでい みちる) 職業:歌手
1963年東京生まれ。ジャズピアニストの秋吉敏子、ジャズサックス奏者のチャーリー・マリアーノの間に生まれる。日本映画界で女優として活躍していたが、91年、アルバム「mangetsu」のリリースをきっかけにシンガーソングライターとしてのキャリアをスタート。アシッドジャズ、ソウル、ラテン、ブラジリアンなどさまざまなジャンルで多様な楽器を取り入れた無国籍な音楽を作り続けている。楽曲提供やボーカル・アレンジなどバラエティーに富んだサウンドワークを務める。
公式サイト:www.mondaymichiru.com/

 

〈インタビュアー〉
高橋克明(たかはし・よしあき)
専門学校講師の職を捨て、27歳単身あてもなくニューヨークへ。ビザとパスポートの違いも分からず、幼少期の「NYでジャーナリスト」の夢だけを胸に渡米。現在はニューヨークをベースに発刊する週刊邦字紙「NEW YORK ビズ」発行人兼インタビュアーとして、過去ハリウッドスター、スポーツ選手、俳優、アイドル、政治家など、400人を超える著名人にインタビュー。人気インタビューコーナー「ガチ!」(nybiz.nyc/gachi)担当。日本最大のメルマガポータルサイト「まぐまぐ!」で「NEW YORK摩天楼便り」絶賛連載中。

 

(2008年6月1日号掲載)

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