〈ウチのイチ押し〉Lanza’s Restaurant

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100年以上愛され、変わらない伝統料理

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100年以上変わらないクラシックな内装

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SHRIMP FRA DIAVOLO(14.95ドル)

1904年のオープンから100年以上、イーストビレッジで愛されてきたイタリアンレストラン「Lanza’s Restaurant」。創業者のルーツである、イタリア・シシリア地方の伝統的なファミリーレシピが今なお引き継がれ、ニューヨーカーたちの舌を楽しませている。特筆すべきは創業以来、ほとんど変わっていないという、アンティークな内装。落ち着いた色の壁には油絵がいくつも掛けられ、その重厚な雰囲気は、まるで1世紀前にタイムトリップしたような気分を味わわせてくれる。
人気メニューは、トマトソースがたっぷりとかかった、自家製のラビオリ「RAVIOLI AL BENEVENTO(17.50ドル)」。中に詰まったリコッタチーズの芳醇(ほうじゅん)な香りと、トマトの甘酸っぱさ、ラビオリのもちもちとした歯ざわりが、食欲をそそる一品だ。ほか、イカやエビ、クラムなどの新鮮なシーフードとマリナーラソースのパスタ「SEAFOOD ABBONDANZA MARECHIARO(25.95ドル)」や、子牛のソテーをワインとマッシュルームで香りづけた「VEAL SCALOPPINE MARSALA(22.95ドル)」などが人気。
メニューの中に「WHAT MAMA USED TO PUT ON THE TABLE(母がよく作ってくれた料理)」というコーナーがあるほど、同レストランが大切にしているのは、古き良きイタリアの「おふくろの味」。
プラムトマトのソースで味付けされたミートボールや、トリッパという牛のハチノス(胃袋)を煮込んだものなど、100年前から変わらない伝統料理が提供されている。
「お客さまの9割以上は、当店へ何度も足を運んでくれるリピート顧客です。当店の雰囲気、味、サービスを気に入ってくれ、友達や家族を連れて来ていただけることが、うれしいですね」とウエーターは語る。
数十年前、イーストビレッジの治安が悪かったころ、ニューヨーク・マフィアの五大ファミリーであるボナンノ一家やガンビーノ一家からも愛された同レストラン。ウディ・アレンが監督・主演を務めたコメディータッチのミステリー映画「マンハッタン殺人ミステリー」(1993年)にも、マフィアがよく利用する店として登場した。もちろん今は、近隣の住民に親しまれ、誰でも気軽に入れるレストランではあるが、ニューヨークの表と裏の歴史を見てきた「Lanza’s」には、厳かな風格が感じられた。
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Lanza’s Restaurant 【住所】168 5 Ave(bet 10th & 11th St)NYC 【電話】212-674-7014
【営業時間】日―木 正午~午後11時/金・土 正午~午前0時

(「WEEKLY Biz」2013年12月14日号掲載)

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