建築を通して東京の街の変遷を考察、展覧会「メイド・イン・トーキョー:建築と暮らし1964/2020」

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JSギャラリー

(キャプション)スタジアム、駅、リテールカテゴリーが展示されるスペース=10日、ニューヨーク(撮影:田部井)

ジャパン・ソサエティー(JS)ギャラリーで11日、東京五輪開催に向け東京の街を紹介する展覧会「メイド・イン・トーキョー:建築と暮らし1964/2020」がオープンした。2020年1月26日までの開催。

同展は、1964年に開催された東京五輪を振り返るとともに、来年の開催に向け、東京の街の社会的変遷を建築を通して紹介。個人住宅の設計から商業施設まで多方面に活動している建築家ユニットのアトリエ・ワン(Atelier Bow-Wow)の塚本由晴さんと貝島桃代さんの2人がキュレーター兼デザイナーを務め、JSギャラリー・ディレクターの神谷幸江さんとともに展示会場を作り上げた。

キャプ 展示内容を紹介するJSギャラリー・ディレクターの神谷幸江さん(左から2人目)。建築家の貝島桃代さん(中央)、建築家の塚本由晴さん(同4人目)=10日、ニューヨーク(撮影:田部井)

展示スペースは、競技場・駅・リテール・住宅・カプセル・オフィスの6種類の建築施設カテゴリー別に構成されている。建築家の隈研吾氏が設計を務める新国立競技場や国立代々木競技場、銀座シックス、有楽町駅など、東京を象徴する建築物、施設の新旧の写真や模型、アートを所狭しと展示している。

今回、東京の姿の変遷を切り取ることで、70年代前半まで続いた高度成長期を経た都市生活と都市空間の形成、崩壊後に資産価格の下落を招いた80年代のバブル経済期、その後の高齢化社会、そして人々の価値観に大きな影響を及ぼした2011年の東日本大震災など、大きな社会・経済・政治的変化を通じて東京の建築がどう展開してきたのかを考察することができる空間となっている。

オープン前日に行われたプレス発表会で、キュレーターの貝島さんは「今回は建築物をただ展示しているのではなく、その裏に見える東京の人々の生活や社会の様子も伝えています。過去、現在だけでなく、未来の東京の姿も展示しています」と話した。

●情報
【期間】2019年10月11日〜20年1月26日
【会場】JSギャラリー
【場所】333 E 47th St
【閲覧時間】火─木:正午~午後7時、金:正午~午後9時、土・日:午前11時~午後5時、月・祝日は休館
【入場料】12ドル、シニア・学生10ドル、会員・16歳以下・障害者無料
【ウェブ】www.japansociety.org/page/programs/gallery/made-in-tokyo

(2019年10月19日号掲載)

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