〈コラム〉法律の専門家がお答えします

0

senmonka

今週は「シンデル法律事務所」

増えるL―1ビザ申請に対する質問状

 最近の移民局による審査の厳しさについてはこれまで何度かお伝えしてきました。L―1ビザ申請も例外ではなく、これまで何ら問題もなく認可されていたケースについても質問書(Request for Evidence)が届いたり、ケース却下となる場合もあります。この質問書は、ビザ申請後、移民局が申請者に対して追加資料や情報を要求するもので、当質問書の発行増加については、米国移民法弁護士協会(AILA)も大きな問題として重要視しています。それに関連し、今回はAILAより最近報告のあったAILAと移民局との間の興味深い質疑応答を紹介します。
  ◇ ◇ ◇
Q AILA会員の報告では、以前は問題なく認可されていたようなL―1ケースを含め、2011年度のL―1ビザ申請に対する質問書の数が劇的に増えています。AILAではこのような傾向が米国ビジネスの成長、経済発展、また関連事業への投資活動に対して悪い影響を与えているのでは、と大変懸念しています。AILAでは、質問書の増加に対し特定の原因を見出すことができません。そこで、以下の2つの質問をします。
 11年度(10年4月1日?11年3月31日)について、移民局では、これまで合計何件のL―1申請があり、そのうち何件に対して質問書が発行されましたか? また、その質問書発行後、何件が質問書に答えることなくケース取り消しされましたか?
A 11年度開始日の10年4月1日から11年2月14日の間におけるL―1申請の総数は1万3181件で、そのうち4057件に質問書が発行されました。更に、質問書発行後のケース取り消しの数は11年2月16日までで316件に上っています。
Q その質問書発行の増加の要因として、移民局はL―1審査基準を変えたのですか? もしそうだとしたら、どのように変わりましたか?
A 昨年度に比べて劇的に質問書発行の数が増えているとはいえ、昨年から特に移民局での審査基準は変わっていません。
  ◇ ◇ ◇
 以上のことから、特に移民局による審査基準は変わっていないとはいうものの、約1/3のケースに質問書が来ていることは紛れもない事実で、この移民局による発表からも明らかに審査が厳しくなっていることが窺えます。また、全体の申請に対するケース却下の数については、今回明らかになってはいませんが、恐らく昨年に比べて増えている可能性が高いと思います。特急申請を含め、一旦質問書が届くと、実際の雇用までのスケジュールに狂いが生じるなど、不都合も多く、今後申請を考えていらっしゃる方は、これまで以上に入念な準備を心掛けた方がよろしいでしょう。
(次回は6月11日号載)
(「WEEKLY Biz」2011年5月14日号載)
sindel_faceup〈今週の執筆者〉 弁護士 デビッド・シンデル(David S. Sindell – Attorney at Law) NY、NJ州公認弁護士、NY弁護士会会員 アメリカ移民法弁護士協会会員 1994年NYマンハッタンにシンデル法律事務所を設立。移民法を専門に扱う。以後1万件以上のビザ、永住権等の取得実績を誇る。2011年4月にはCA州シリコンバレーにもオフィスを設立。NY、CA、日本を中心とした法律セミナーの多数開催をはじめ、多数の日系情報誌にも法律記事を連載中で、在米日本人を中心に広く好評を得ている。米国在住の日本人とも交流が深く、米国を拠点に直接日本語で法律相談にも応じている。 〈今週の執筆事務所〉シンデル法律事務所 7 W. 36th St., 14Fl. NYC Tel:212-459-3800 Email:slony@sindelllaw.com Web:www.sindelllaw.com
過去一覧

Share.