出生前診断、米国などでは全妊娠対象に実施

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出生前診断1~出生前診断:誰が受けるべきか?(1)~

「米国最先端臨床現場から」海外治療コンサルティングリポート 第36回

前月(10月3日号掲載)まで、2年半以上に亘って着床前診断について詳しく説明してきました。着床前診断とは体外受精を行うことを前提に、妊娠以前に出来る検査であり、体外受精によって出来た受精卵の正常性を移植前に判断するものですが、今月からは妊娠後、母親のおなかにいる赤ちゃんの胎児の染色体が正常であるかどうかを調べる検査について説明していきます。
この出生前の検査は、大きく分けて、
●簡易な出生前遺伝子スクリーニング検査
●更に異常について精密に正確に調べることができる出生前診断
の2つに分けられます。
胎児に対する出生前の検査は、受精卵に対する着床前診断と比較すると、米国及び、弊社が第三者介入の生殖医療コンサルテーションを行っているメキシコでも同様、妊婦に対して基本的で標準的な検査であり、普遍的に実施されています。また、出生前検査として最初に行われる簡易なスクリーニング検査に関しては、妊婦検診の一環として行われています。出生前診断に関しては、着床前診断のように年々多種の技術が競って発表されているわけではありませんが、新しい技術が近年、市場に出てきており、広く導入され始めています。
また、日本からも、“日本では、着床前診断同様、出生前の検査に関しても非常な遅れがあるため、米国で胎児に対する詳しい出生前診断の検査を希望する”というお問い合わせを多くいただきます。そこで今回から、現時点(2015年秋)で米国をはじめとして先進国ではどのような出生前遺伝子スクリーニング検査、及び、出生前診断が実施されているかについてリポートしてきます。
まずは、ダウン症を含む染色体異常を調べることができる検査が出生前の検査ですが、誰がこれらの検査を受けるべきなのでしょうか。
一般的には、たとえ20代という生殖年齢であっても、その妊娠が100%の確率で問題がない、という保証はできません。いかなる年齢の妊娠においても、各妊婦の状況や遺伝にもよりリスクが変わってきますが、遺伝がなくても染色体異常はありえます。
米国や先進国では、まず簡易なスクリーニングは、20代の妊娠をはじめ、高年齢妊娠である場合は勿論、すべての妊娠対象に行われます。(次回=12月第1週号掲載=に続く)

さくらライフセイブアソシエイツ代表・清水直子【執筆者】
しみず なおこ 学習院大学法学部卒業、コロンビア大学で数学を学び、ニューヨーク大学スターンスクールオブビジネスでMBAを取得。マウントサイナイ医科大学短期医学スクール修了。メリルリンチの株式部で活躍し、2003年さくらライフセイブ・アソシエイツを設立。

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