コーリン・ジャパニーズトレーディング代表取締役社長NPO法人 GOHAN Society会長 川野作織(18)

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高校進学を自力で勝ち取る

私はてっきり高校には普通に行けるのだろうと思っていたら中学3年の春、母が突然、「義務教育は中学までだから親の責任は中学まで」と言いました。これには焦りました。父はその頃中学校教員で、母は保険会社の支店長だったから、普通に収入のある家庭だと思っていたのに、私が知らなかっただけで、うちは貧しかったの?と驚きました。

担任の寺田先生のところに行き、「私は卒業したら外国に行ってお茶やお花を教えたいから絶対大学まで行きたいんですが、親が『義務教育まで』って言ったので何がなんでも県立の高校に行かないと。私立には行けそうにもない」と言うと先生が、「じゃあ私が日本育英会奨学金の推薦状を書いてあげる」と。自分でもなぜ奨学金が必要なのかを作文で書いて、推薦状と一緒に提出しようという話になりました。それに県立高校の入試結果も必要だというので、また焦りました。

それまでそんなに必死に勉強したことはなかったんだけど、母が「試験は1校だけ、私立の滑り止めはなし、公立高校1校だけ。もし滑ったら働きなさい」と言うのです。学校に行くだけが良いわけじゃない。勉強ができない人は早く社会に出て、働いて実地を積んだほうがもっと有効だから、と。でも私は将来海外に行きたいからそのために大学には絶対に行かないと、と思っていたので原稿用紙6枚に渡って、一生懸命作文を書きました。

「両親が働いていますが、祖母が病気でそれに大変お金がかかっています。私は小さい時からの夢で外国に行きたい。そのためには英語の勉強をしないといけないから大学に行きたい。お茶もお花もピアノも習って月謝もいっぱい親に負担をかけているから、これ以上親には負担をかけられないからなんとかお願いしたい」って綿綿と綴って。

英語の家庭教師を1年間だけ付けてほしいとお願いして、一番弱かった英語も一生懸命勉強して、結局、横浜市立東高校に入れて、日本育英会から特待生の奨学金をもらえることになりました。

(次回は10月26日号掲載)

kawano

かわの・さおり 1982年に和包丁や食器などのキッチンウエアを取り扱う光琳を設立。2006年米国レストラン関連業界に貢献することを目的に五絆(ゴハン)財団を設立。07年3月国連でNation To Nation NetworkのLeadership Awardを受賞。米国に住む日本人を代表する事業家として活躍の場を広げている。

(2019年8月24日号掲載)

●コラムまとめ●


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