〈コラム〉ニューヨーク市の騒音問題 自分が苦情の対象となることも

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タイチ不動産「不動産と住まい事情あれこれ」第40回

 世界一にぎやかな街、ニューヨークで誰もが経験する騒音問題。その中でも昨年311(ニューヨーク市の苦情専門電話)にかかってきたアパートの隣人による騒音の苦情は何万件にも及びます。市ではNYC Noise Control CodeとNYC Building Codeが定められていますが、やはり全ての苦情を調査し、取り締まるのは不可能といえます。
いつもうるさい隣人がいて、それがストレスとなっている場合や睡眠を妨げたり生活に支障を来たしていると感じた場合は、我慢をせずにまず話し合いや手紙を出すなど形式張らないアプローチをすることで問題が解決することがほとんどです。円滑な話し合いを進めましょう。それでも状況が改善されない場合は大家さんに相談し、それも駄目な場合は、311に苦情を報告、その際、念のためにその騒音を録音、録画しておくことも大切です。最終手段としては弁護士に相談し(有料)、裁判所に訴えを提出してもらいましょう。
逆に自分が苦情の対象となることも大いにありえます。市の建物の構造上、気を付けているつもりでも、気付かないうちにテレビの音量を大きくして、お隣に音が筒抜けだったり、夜中に物を上げ下ろしして下に響いていたりしていることがあるかもしれません。市の騒音に対する罰金は45ドルから、特別なケースで数千ドルにも及びます。
なるべく近所に迷惑にならないように自分でできることはいくつかありますが、誰でもできる簡単なことでいうと、じゅうたんを敷く、厚手のカーテンを掛けるなどといったものが挙げられます。繊維は音をよく吸収するのでクッションなどを置いたりインテリアで音の振動を少しでも抑えたり、ドアに防音ストリップ(Soundproof stripping)を付けることで音の漏れを防ぐこともできます。
ペットの過度なほえ声や、遠ぼえなど(朝7時から夜10時に10分以上、夜10時以降に5分以上続いた場合)は飼い主の責任として罰金(70ドルから210ドル程度)が課せられることもありますので注意が必要です。(次回は4月第3週号掲載)
〈記事提供〉タイチ不動産    228 E 45th St. Suite 1800, NYC TEL:212-983-7000 www.taichirealty.com 短期アパート:www.thevillagehouse.com

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