〈コラム〉即効性のあるスポーツ傷害のための治療 グラストン治療1 本来の機能が果たせる組織に戻る

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カイロプラクター DR. 石谷三佳「骨盤・背骨の歪みをリセット」第99回

hand4_013879長い冬を終え、やっと春になり暖かくなってきた今日この頃。カイロプラクティックのクリニックでも時期によって患者が来院する、けがの理由は違うもので、実はこの季節はスポーツによるけがが、圧倒的ナンバーワンです。良い季節と暖かい日差しで気分も良くなり、突然、スポーツを始める大人や子供たち。スポーツをする前は、まずストレッチやジムなどで基本的な体力と筋力をつけてから始めることで、けがの予防ができます。どちらにしても、けがをしたり、傷めたらすぐに治療をすることが早期回復のためになります。少し捻(ひね)っただけだからと放置しておくことでさらに悪化する恐れがあり、そうなると慢性化することもありますので、気をつけましょう。
ここでご紹介したいのが、グラストンテクニックと呼ばれる治療法です。痛み止めや炎症止めの注射や薬を使用しないのがカイロプラクティック医学の理論であり、根本的に原因を回復させるため、また、似たようなけがをしないために不可欠です。このグラストン治療は特にスポーツで傷めた組織を早く回復させるために効果を表します。
グラストンテクニックは、組織(scar tissue、傷ついた筋肉、腱、靭帯などの組織のこと)を効果的に分解し、炎症を取り除き、患部の可動範囲(動く範囲)を広げることができます。
グラストンテクニックを用いるのは主にカイロプラクター、理学療法士、アスレチック・トレーナーなどです。皮膚の上をステンレス製の器具をすべらせると、硬くなった組織に引っかかり、器具が自由に動かない部位が見つかります。この特別なグラストンの器具を使うことにより、最適な深さと強さ、そして正確さで傷ついた軟部組織(soft tissue)を治療し、痛みのある部位の症状を改善できます。また、筋肉や関節の運動連鎖をたどり、原因を突き止めて治療するのです。これらの傷ついている組織は、器具によって分解され、分解された組織は体内の血液に吸収され、さらに分解され体の外へ出されます。
治療とリハビリの過程でストレッチや筋肉の強化トレーニングや冷却方法を組み合わせることで、これらけがをして傷ついていた軟部組織も、健康な状態に生まれ変わり、本来の機能が果たせる組織に戻ります。    (次回は5月23日号掲載)

MikaIshitani〈プロフィル〉石谷三佳(いしたに みか) 石谷カイロプラクティッククリニック院長、パーマーカイロプラクティック大学院卒、ハーバード大学医学部専門課程終了/米国、米国小児、ニュージャージー、日本カイロプラクティック協会会員/2008「Chiropractor of the Year」受賞

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