〈コラム〉ファイナンシャルアカデミー代表 泉正人「社会人のための資産運用」第17回

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多発する詐欺事件 世の中に「必ず儲かる」「うまい話」などない

私たちは誰もが、不景気が続くと将来が不安になりますし、生活に困らないように、なんとかお金を増やしたいとも思います。ただ、ここで注意したいことは「自分はお金のことはよくわからないから、詳しい人にまかせよう…」「忙しいから、楽をしてお金を増やしたい…」というふうに考えてしまうと、ありえないような儲け話に、コロッと騙されてしまうのです。
テレビや新聞などでは、連日お金に関する詐欺事件が報道されています。例えば、少し前の話になりますが、ある会社が出資金をつのり、独自の電子マネーを利用して、配当の見込みがないのに資金を集め、出資金を搾取したという事件が大きな話題になっていました。実際にこの会社では、数千人という単位の人々が、1000万円以上の出資金を出していたのです。この会社の社長は逮捕されましたが、こういった「詐欺事件」は、これからも形を変えて私たちの前に登場してくるでしょう。
保険会社、銀行、証券会社などで扱っている正規の金融商品には、手数料が組み込まれています。その上で、年に3〜5%の利益が出せれば、かなり運用がうまくいっていると言えます。落ち着いて考えてみれば当たり前のことなのですが、元本保証で、利回りが20%や100%などという商品が、全くの他人の私たちに回ってくるはずはありません。こういった当たり前のことも、お金に関する基本的な知識がないと、わからなくなってしまうものです。
みなさんも、「自分だけは大丈夫…」と安易に考えることもなく、また、人まかせにすることもなく、コツコツとお金の教養を身につけていってくださいね。
(次回は8月第1週号掲載)

「お金の教養」
〈プロフィル〉泉 正人(いずみ まさと) ファイナンシャルアカデミー代表、金融学習協会理事長、神戸夙川学院大学客員教授。経済入門から資産運用までの幅広いファイナンシャル教育を行う。受講者が18万人の「お金の教養」=写真=プログラムをニューヨークでも開催。http://us.Financial.ac

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