〈コラム〉中島敏行「言葉のチカラ」第4回

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格言と三つの心得掲げ新天地で新たな挑戦

 一部上場を達成し大企業の仲間入りを果たした和民で、当時僕は店長業務の傍ら、新人店長教育とチェーンストア理論に基づく店舗の標準化、即ち新店モデルオペレーションづくりにと精力的に仕事に取り組んでいました。時期を同じくしてニューヨークの知人からマンハッタンにある日系レストランへの転職話が舞い込んできました。
 学生の頃に研修旅行と称し和民入社へ導いてくれた恩師の引率の下、大型商業施設などを視察を兼ねてアメリカに訪れていた僕は異人種同士で仕事をする現場に衝撃を受けたと同時に、世界の広さを実感し、いつかこの地で働きたいという夢を抱いていました。その旅行中、空腹の余りに同地のホテルを抜け出し友人と入ったレストランが今回転職の誘いを受けた会社の店だったことに運命を感じた僕は、上司に相談しニューヨークで働く決心をしたのです。
 和民の渡邊美樹社長から授かった大切な言葉の数々を日々唱え、新鮮な緊張感を抱えニューヨークに降り立ち、W&E Hospitality Inc.の若山和夫社長(現会長、(株)West取締役社長)と念願の対面を果たしました。そしてアメリカで起業を果たした若山社長直々にアメリカで働くにあたっての心得を頂戴しました。
⒈受け入れる=仕事、日常生活に於いて先ずアメリカの仕組みを受け入れる事
⒉比べるな=他人や過去の経験を比べても何も残らない
⒊とことんやる=何事にも真剣に取り組む事により物事の本質が見えてくる。習うより慣れよ
 この三つの心得は受け入れるという自身の強さが問われ、ブレのないバランス感覚を必要とされる内容だと理解しています。
 僕自身の職場における格言でもある「“笑顔に勝る化粧なし”=常に明るく接し、例え対立が生じたとしても相手を尊重する広い心を持つべし」。この格言と三つの心得を掲げ新たな地での新たな挑戦に挑んだのです。

batten_nakajima〈profile〉 中島敏行(なかじま としゆき) 肥後ばってんラーメン オーナー、Magokoro Inc.社長。千葉県出身。経営マネージメントを学び、1996年ワタミ・フードサービス(株)(現WATAMI)に入社。創業者である渡邊美樹氏(現会長)から直接指導を受け、居食屋和民の店長、スーパーバイザーを経て03年W&E Hospitality Inc.へ転職のため渡米。05年に肥後ばってんラーメン店長に着任、10年独立。

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