〈コラム〉H―1Bビザ関連情報

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労働条件申請書(LCA)

「労働条件申請書(LCA)」は、雇用に基づく永住権申請過程のフォーム「労働証明書(LC)」と混同しがちですが、H―1Bビザ申請過程で米労働局へ提出するフォームのことです。LCAには給与、労働条件、勤務地、就労期間や職種について記載します。雇用主は労働局の規定賃金(SOC/O*NET)やその他の情報源を使って、支払い賃金が産業基準に基づいていることを証明しなければなりません。
雇用主は労働局のオンラインによる「iCert」システムにより、LCA(ETA9035フォーム)を申請してください。適切に申請されると労働局がLCAを承認します。雇用主(または雇用主の代理人弁護士)はLCAを印刷、雇用主が署名し、I―129フォームとH―1B申請に必要な書類とともに移民局へ提出します。同システムによるLCA承認には7日間掛かりますが、承認されたLCAがなければH―1Bを申請することができません。

記録の保管

雇用主は従業員の賃金についてLCAを遵守しているという記録を「パブリックアクセスファイル」として保管しておかなければなりません。この記録には、LCAのコピー、給与に関する書類、規定賃金に関する書類(通常、規定賃金決定に使用する調査書のコピー)、一定期間掲示したLCAに関する書類、雇用主が「H―1B依存」雇用主であるかについての書類が必要となります。パブリックアクセスファイルは、H―1Bビザ従業員の勤務地か本社で保管してください。また、調査依頼があればいつでもファイルを公開できるよう準備しておいてください。

H―1B依存雇用主

以下に該当する場合、H―1B依存雇用主となります。
•フルタイム従業員が25人またはそれ以下で、うち7人以上がH―1Bビザ従業員
•フルタイム従業員が26?50人で、うち12人以上がH―1Bビザ従業員
•フルタイム従業員が51人以上で、H―1Bビザ従業員がフルタイム従業員の15%以上
ただし、年収6万ドル以上を受給、または修士号を持つH―1Bビザ従業員は上記に含まれません。御社がH―1B依存雇用主かもしれないと思われる場合は、担当弁護士か私どもへご確認ください。

LCA監査

労働局は雇用主のLCA監査を行う権限を持っています。LCA監査とは、通常雇用主に不満を抱いている従業員の申告により行われますが、無作為に行われることもあります。最近労働局は、LCA監査をより実施する傾向にあります。監査では、雇用主が規定賃金の支払いなどの労働条件を遵守しているかについて、パブリックアクセスファイルの閲覧を要求することもあります。雇用主が規定の賃金を支払っていないと判断した場合、H―1B従業員への払い戻しの義務や罰金を課すこともあります。
また、労働局は雇用主が意図的にLCA規則を違反したり、LCA監査について不正を行った場合、雇用主を「故意の違反者」とみなし、一定期間H―1B申請を認めないこともあります。
(弁護士:リチャード A. ニューマン)
〈今週の執筆事務所〉リチャード・ニューマン法律事務所 
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過去の一覧
(「WEEKLY Biz」2010年7月24日号掲載)

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