〈コラム〉「理香先生の歯のアドバイス」第8回

0

歯科保険の説明

治療前にベネフィットの確認を

もしあなたが幸運にもアメリカで会社を通して歯科保険に加入した場合、その内容を理解するのは難しいかもしれません。アメリカの歯科保険制度は日本とは大きく異なっています。会社から提供される歯科保険のうち、よくあるタイプを三つ紹介しましょう。
Indemnity dental Insurance Plans:このプランは年間保険給付限度額が決められていますが、自分で歯科医を選ぶことが可能です。たいてい検査やレントゲン、クリーニングなどの予防治療は全額カバーされます。予防以外の治療には控除の対象となるものがあります。もし、あなたが詰め物をする場合、治療費から控除を差し引いた金額の50~80%を保険会社が負担します。控除は年に1回 、稀に一般の治療以外に予防治療からも控除される場合もあります。
PPO(preferred Provider Options):このプランも歯科医を選べますが、ネットワーク内の歯科医を選ぶと、たいていネットワーク外の歯科医に比べてカバーされる率が10%程高くなります。ネットワーク内で100%予防治療がカバーされるとしたら、ネットワーク外では90%しかカバーされないという具合です。PPOプランは年間保険給付限度額があり、詳しいことは歯科医院に自己負担額の見積もりを聞いてみるといいでしょう。
DMO(Dental Management Organization):このプランはネットワーク内に加入している歯科医と保険会社の間でしか医療費のカバーが認められていません。プランに加入している歯医者のみ、オンラインもしくは小冊子に掲載されているでしょう。そこには、たいてい予防治療、基礎治療、高額治療などの支払い限度額が提示してあり、患者は決められたCo Payを支払います。予防治療は100%カバーされたとしても、詰め物などは自己負担になります。あなたの選ぶ治療方法が、治療内容や素材によって制限される場合があります。もしも選んだ治療方法が保険のリストに載っていない場合、歯科医から通常の金額を請求されるでしょう。
もし今加入している保険のプランが自分に合わなくても、保険加入期間に人事部を通してプランを変更したり、アップグレードしたりできます。職場によっては、いくつかのプランを提供しているところもあります。
大事なことは、歯の治療前に自分の歯科保険のベネフィットについて前もって調べましょう。もしそれでも分からなければ、自分の行きたい歯科医院に電話で保険内容について聞いてみることをお勧めします。
Rika Furukawa〈プロフィル〉古川理香(ふるかわ りか) メリーランド大学ボルチモア校歯学部卒業。AGD、ADA、NYSDA会員。ニューヨークで歯科医として「Rika Furukawa, DDS, LLC.」開業。

過去一覧

Share.