〈コラム〉ファイナンシャルアカデミー代表 泉正人「社会人のための資産運用」第28回

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確実な貯蓄のポイント 給料日の当日に貯蓄用口座へ振り替えを

貯蓄ができている人とできていない人の差は、ズバリ「習慣」と「仕組み」にあるのでは、と私は思っています。しっかりと貯蓄ができている人の習慣を見ると、そのような人は、入った給料の中から、一定の金額を決めて貯蓄し、それから残りを支出に回すようにしていることが多いのです。
私の例でいうと、日々の生活費のために使う普通預金の口座とは別に、貯蓄用の口座を持つようにしました。毎月給料が入ったら、その日のうちに一定の金額を貯蓄用の口座へ自動的に振り替えるようにしたのです。
ポイントは、「給料が入ったその日のうちに振り替える」ことです。「その日のうちに」を「そのうちに」とズルズル延ばしてしまうと、貯金より当面の出費のほうを優先してしまい、貯めることがますます困難になっていきます。こういう状況に陥らないためにも、何がなんでも貯蓄を最優先にして、どんな支出にもまどわされることなく、給料日に一定額を強制的に貯蓄用口座に移し替えるルールを守り続けていくのです。別の貯蓄用口座に振り替える手続きが面倒だという人には、金融機関のインターネットバンキングを利用する方法をおすすめします。自宅のパソコンや携帯電話から、各種取引の手続きが簡単に、しかも短時間でできるので、とても便利です。
また、銀行口座の給料の天引きや自動積立などの各種サービスなどは、確実な貯蓄を可能にする便利なツールだと私は考えています。
自動積立によってある程度金額が貯まったら、利率のよい定期預金などへの預け替えを検討したり、財形貯蓄では、給料などから自動的に天引きしてくれるので、手間がいらないばかりか、一定の要件を満たせば融資を受けることができたり、利息が非課税になるなど税金面でも優遇を受けられ、多くのメリットがあります。
皆さんも、確実な貯蓄のために、自動的に貯蓄できる仕組みをつくり、「自動積立」や「財形貯蓄」なども活用しながら着実にお金を増やしていってくださいね。
(次回は8月第1週号に掲載)

「お金の教養」〈プロフィル〉泉 正人(いずみ まさと) ファイナンシャルアカデミー代表、金融学習協会理事長。経済入門から資産運用までの幅広いファイナンシャル教育を行う。受講者が18万人の「お金の教養」=写真=プログラムをニューヨークでも開催。http://us.Financial.ac

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