〈コラム〉2019年の賃貸料法改正について

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大家サイドのアパート運営意欲、減退か
タイチ不動産「不動産と住まい事情あれこれ」第101回

2019年6月、ニューヨーク州議会はニューヨーク市の賃借人に強力な新たな保護を与えることを目的とした一連の賃貸料法を承認しました。大家と不動産業界の一部は法律に反対しました。しかし州議会議員やテナントの権利擁護団体はニューヨーク市の65%の住人(約540万人)が賃借人であるこの都市では手頃な価格のアパートとその安定的供給を維持する必要があると主張しました。

今後入居時の保証金は全てのテナントが1ヵ月分の家賃のみと制限されました。大家はユニットを退去したテナントに14日以内に保証金を返金しなければなりません。
大家によるテナントの違法な立ち退きは今や犯罪となり、罰金が1000ドルから1万ドルに引き上げられました。
バックグラウンドチェックが含まれている場合でもアパートの入居申請費用は20ドルに制限されています。
家主による厄介なテナントのブラックリスト登録は禁止されています。

レントコントロール、レントスタビライズ物件の変更点

ニューヨークのおよそ100万戸のアパートは、レントコントロール、レントスタビライズの二つのカテゴリーに属しており新しい法律の多くはこれらのアパートに関連しています。

以前の法律は2019年6月15日に期限切れになる予定だった時限立法でしたが、今回の改正で恒久法になりました。テナントの権利擁護者と家賃規制にとって大きな勝利です。
以前はレントスタビライズアパートは賃料が2774ドルに達しテナントの収入が2年連続で20万ドルを超えると大家が家賃を自由に上げられるフリーマーケット物件に変わりました。新しい法律ではその規定が廃止されているためレントスタビライズアパートは賃料水準やテナントの収入にかかわらずそのまま維持されます。

大家は以前はアパートがマーケットに出回るたびにレントスタビライズ物件の賃料を20%引き上げることができました。これらの値上げはもう許可されていません。
以前は建物を改良することによって、大家は家賃が規制されたユニットでも賃貸料を上げることができましたが新しい法律では大幅に抑制されました。
また大家は個々のユニットの改善のためにテナントに費用を請求することができました。が、これらの金額は以前の最大1000ドルから大幅減額して89ドルまでに制限されました。

大家サイドからはアパートを運営していくモチベーションが削がれるとの声が上がっています。今後建物を改築したりユニットをアップデートしていく動機が大家にとって見つけづらい状況です。

(タイチ不動産 茂古沼孝)
(次回は8月第3週号掲載)

記事提供:タイチ不動産
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【ウェブ】www.taichirealty.com
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