メイシーズ店内ストーリーの第3弾テーマは「School of Style」(スタイルの学校)

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りばてぃ「ニューヨークの遊び方」 Vol. 98

メイシーズ本店内に今春オープンし、話題を呼んだ新感覚小売店のストーリー(Story)も見に行ってみました。
ストーリーは、数ヶ月毎の期間限定で、1つの特定のテーマにあわせて店内で取り扱う商品を変える「雑誌」のような小売店。テーマには、例えば「Cool」「Art」「Creativity」などなど…雑誌のように、自動車メーカーがスポンサーにつくこともあったりしまして、新しい小売業の優れたアイデアとしていろいろな賞も受賞。小売業界関係者の方々なら、必見のお店。

 

「School of Style」編の入り口付近の様子

「School of Style」編の入り口付近の様子

 

さて、それで、メイシーズ店内のストーリーとしては、オープン時の「Color」(色)、第2弾の「Outdoor」(アウトドア、野外)に続く、3つ目となる現在のテーマは、「School of Style(スタイルの学校)」(www.macys.com/social/story/)。
パッと聞いただけだと、なにそれ?って感じになりますけど、要するに、アメリカの学校の新学年、新学期がはじまる9月にちなんで『学校関連の品々』を特集してるみたいです。若干、子どもたちに学校の楽しさを伝え、勇気づけるアメリカならではのバック・トゥ・スクール・イベント的なニュアンスも含んでるのかも?

そういう意味では、アメリカ文化に疎い人には、いまいちピンとこない演出も多いかもしれません。

もしかすると、中二階にあるストーリーへ昇るエスカレーターがあるスペースの様子もそんな演出の1つなのかも? このエリア、これまでは、結構ど派手なディスプレイが登場してたのですが、今回は、飾り付けは、なにもなし。急に、質素。テーマが「禅」かと思うほど。
ストーリーの店内も、これまでと比べると比較的落ち着いた雰囲気が強め。そういう演出になってる印象がひしひしと伝わってきます。
なぜ?
その理由はわかりませんが、たぶん、その方が、『学校関連の品々』がすっと自然に入ってくる感じはします。いずれにしましても、クリエイターの方々が、子どもたちや思春期の若者たちのことについていろいろ考えて、こういう仕上がりになったのでしょう。

 

アート関連商品、画材など幅広く

アート関連商品、画材など幅広く

 

今回のストーリーで、アートのコーナーがあるというのが興味深いです。

近年、アメリカでは、アートの重要性が改めて指摘されています。なぜなら、次々に新しい課題が出てくる現代社会では、「創造力」(新しい解決策やアイデアを生み出す能力)が単なる「知識」(暗記力)よりも重要になってきたから。
学校では、教科書があって、答えがあって…というのが当たり前ですが、実社会に出れば、答えは1つじゃありません。

明らかな正解がなく、いくつも選択肢が存在しており、どれを選んでも、自分ならではのアイデアや、自分にしかできない努力とかを加えられれば大正解みたいな場面もあったりします。そういう場面では、単なる知識は、あまり役に立ちません。決まりきった知識で動くだけなら、いずれAI(人工知能)にとって代わられてしまうでしょう。
やっぱり、これからの時代、新しい道、新しい解決策、新しい未来を作り出す能力がますます大切になっていくような気がします。

(次回は12月7日号掲載)

りばてぃ

「ニューヨークの遊び方」(nyliberty.exblog.jp/)作者。Liberty & Friends, Inc.の創設者。米国で事業を展開する日系企業向けにマーケティングを中心とした各種コンサルティング業務を提供するほか、各種メディアとのコラボレーションを行う。

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