〈コラム〉世界の不動産市場をけん引する中国人投資家 目が離せないNYの市場

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タイチ不動産「不動産と住まい事情あれこれ」第45回

 今回は不動産投資についてお伝えします。ご存知の通りニューヨークの不動産価格の高騰はとどまることを知りません。賃貸をしている側にとってはたまったものではありませんが、投資家にとっては魅力的な市場であることは間違いありません。日本からの投資もどんどん増えていますが、中国人投資家の勢いには目を見張るものがあります。
これまでマンハッタンの不動産投資はロシア人が主導してきましたが、ここにきて中国人投資家の勢いが上回ってきています。もちろんウクライナ危機による米国の対ロシア制裁によってロシアの勢いが衰えたことも事実ですが、それを抜きにしても今世界で中国人投資家の勢いに並ぶ国はないでしょう。その勢いはニューヨークだけでなく、ロンドンやシドニーといった世界の主要都市でもみられます。
現在、香港・上海・シンガポールといったアジアの都市では物件価格が高騰しています。これらの市場と比べると、マンハッタンやロンドンといった市場はまだまだ割安といえるため、中国人投資家が大きくシフトしてきているようです。マンハッタンがまだ割安なのは、米住宅バブル崩壊によって米国内の主要都市の住宅価格は魅力的な水準に下落したためです。英不動産大手ナイト・フランクの「世界の高級住宅価格指数」によると、例えば香港の高級アパートは1平方フィート当たり4100〜5000ドル(約42万〜52万円)となり、マンハッタンやシドニーでは約2100〜2500ドルとその半分です。ロンドンも割安で、1平方フィート当たり3300〜4100ドルというのが現状になります。
こう見ていくと、不動産価格の高騰が叫ばれるマンハッタンですが、世界という尺度で見ればまだまだ割安だと言えます。中国人投資家の勢いはどこまで続くのか、マンハッタンの不動産価格はどこまで上がり続けるのか、まだまだニューヨークの不動産市場から目が離せません。
(タイチ不動産 山本)(次回は9月第3週号掲載)
〈記事提供〉タイチ不動産 228 E 45th St. Suite 1800, NYC TEL:212-983-7000 www.taichirealty.com 短期アパート:www.thevillagehouse.com

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