〈コラム〉「COACH A」竹内 健 「対話で変える!」第10回

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対話の力(10)〝フィードバック〟(その5)

こんにちは。COACH Aの竹内です。前回は、女性同僚からの『あなたのメールは、私が悪いようなニュアンスを発しているように読める』という私へのフィードバックを取り上げ、そのより良い伝え方などについてお話しました。今回は、そのフィードバックが生まれる過程と主観性(“フィルター”)、そして、フィードバックを受けた側(私)にはどんな選択肢があるのかについてお話します。
彼女は、私のメールを読んで上述のように感じたわけですが、どういうプロセスを辿ってそう認識したのでしょうか。人はある事実を認識する際、自分の価値や常識に基づき、それを再解釈します。このケースでは、彼女の価値や常識によって、私のメールを理解しようとしたわけです。
つまり、人は一人ひとりの“フィルター”を通して物事を受けとめています。その時点で、それは客観的な事実から主観的なものに変化しているのです。
彼女からのフィードバックにしたがってメールの表現を変えるかどうかは私次第です。そこが、指示・命令との大きな違いになります。
ただ、フィルターを通ったものであったとしても、彼女にとってはそう読めたということは事実です。ですから、彼女に私の本意を正しく受け取ってほしいと思えば、私はメールの表現を訂正し、謝罪することになります。
実際、私は彼女と対面で話をし、どうして彼女がそう感じたのか、私のメールのどの表現がそう読めたのかを詳細に聞きました。話をしながら、私の中に起こる反応や感情をできるだけ冷静に受けとめ、彼女の“フィルター”についてもよりよく理解すべく話を聞いていきました。
その結果、フィードバックという行為をきっかけに、彼女と私は、それまで以上にお互いのことを理解し、また、自分自身の言動についても注意を払えるようになったと思います。
自分の発信したものが相手に正しく伝わっているのかということを確認する手段として、フィードバックはとても有効かもしれません。“自分は相手に言いたいことをきちんと伝えたはず”と思い込むのではなく、“相手にそれはどう伝わっているのだろうか”という視点で、フィードバックを活用してみてください。
(次回は9月第4週号掲載)
02222coach_a 〈プロフィル〉竹内 健(たけうち たけし)
エグゼクティブ・コーチ(COACH A USA 取締役 CFO)
PricewaterhouseCoopers LLPにて異例の日米5都市を異動しつつ、公認会計士として日米欧の企業や経営者へのサポートを行う中で、ソリューションの提供だけでなく対話を通じた人 への投資があってはじめてクライアントのパフォーマンスが発揮されることを痛感し、これまた異例の会計士からの転身をはかり現職。
【ウェブ】www.coacha.com/usa/

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