〈コラム〉ハーレム行きの急行A列車で春を探す

0

トミー富田「​ハーレム浅草下町考」Vol. 43

0411-21men-tommy1

1軒1軒趣の異なる都会の一戸建て“タウンハウス群”が立ち並ぶシュガーヒル

ニューヨークで30数回目の春を迎えます。といっても、例年、雪が降ったかと思えば、いきなり半袖、春を飛び越して、いきなり初夏がやって来るニューヨーク。春が大好きな日本人としては、この短い春を大いに楽しみたいですね。 さて、私が住んでいるハーレムの「ストライバース・ロウ」は、観光バスルートにもなっている歴史的な高級住宅地、緑いっぱいの街路樹とバラ園が春を運んでくる美しいエリアです。 そのわずか数ブロック先にもうひとつ、とても有名なのに日本人にはあまり知られていない高級住宅地があります。ジャズの名曲、デューク・エリントン楽団のテーマ曲としても世界中で愛されている「Take the A Train~A列車で行こう」の歌詞をよく聞いてみてください。“You must take the “A” train’ To go to Sugar Hill, way up in Harlem”(ハーレムに行くなら急行のAトレインにお乗りなさいよ(早いから))、とあるこの「シュガーヒル」です。

0411-21men-tommy-2

ハーレムにある、アメリカ合衆国の初代財務長官にも任命されたハミルトンの家

145丁目駅を下車し、コンベント・アベニュー沿いを南下。「ハーレムのヨーロッパ」と呼ばれるこの小さな美しい丘の先には、アメリカ合衆国建国の父、「アレクサンダー・ハミルトンの家」、そして、アメリカで最も古い公立大学の一つ、歴史的建造物にも指定されたネオ・ゴシック建築が美しい「ニューヨーク・シティ・カレッジ」もあります。間もなくこの丘は、水仙、ヒヤシンス、そして桜でいっぱいになり、ハーレムにたくさんの春をもたらしてくれます。
お天気のいい週末は、大好きなおにぎりを持って丘で寝そべっている私に会いに、是非Aトレインに乗って遊びに来てください。(自分達では不安という方はトミー富田のハーレムツアーへどうぞ) (次回は6月第2週号掲載)

〈筆者プロフィル〉トミー富田(トミーとみた) 東京浅草生まれ。ニューヨーク・ハーレム在住23年の音楽プロデューサー。1994年にアジア人初の「Dr. マーティン・ルーサー・キングJr. アワード」を受賞。ハーレム商工会議所会員。アポロ劇場ボードメンバー。20年以上続けている大人気の「トミー富田のハーレムツアー」は、日本からのファン、リピーターが多いことでも有名。
■トミー富田のハーレムツアー 電話:646・410・0786 ウェブ:tommytomita.com

〈過去の一覧〉

Share.